今、「デジタル家電」とか「地上デジタル放送」とかあるが、「アナログと何が違うの?」と疑問を持つ方も多いだろう。ウィキペディアを見ても、小難しい説明で分かりにくい。よって、少し「デジタル」の概念を説明してみる。

「漫画の登場人物を模写する」ということを例にしよう。
アナログはトレーシングペーパで写し取る、デジタルは方眼の目があるトレーシングペーパーに写し取る、という感じだ。ただし、デジタルの方は「写し取る」というといい表現ではない。方眼のマス目の真下を見て、そのマスを塗りつぶすか塗らないか、とする。「このマス、半分だけ塗りました」というような中途半端は許されず、塗る/塗らないのどちらかを選ぶ必要がある。
この「どちらかを選ぶ」ということがデジタルの特徴のひとつである。

なお、このマスを塗る/塗らないを判断して塗ったり塗らなかったりする工程を「マス塗りとしておこう。このブログ限定用語だが・・、この先の説明では「マス塗り」という呼称にする。



マス塗りが終わると、「どのマスが塗られて、どのマスが塗られていないか」が分かる。これを座標として見れば、どの座標が塗られていて、どの座標が塗られていない、ということを情報として捉えることができる。例えば、絵を口頭で説明しても同じモノが再現されるということは難しいが、同じ方眼紙を持っていれば「縦12、横16のマスは塗る」というように、絵を見せることなく同じものを再現することができる。
アナログだとトレーシングペーパーによる模写を繰り返すと原画から離れていく可能性があるが、デジタルでは一度デジタル化、つまりマス塗りのようにした情報はそれ以降劣化しないのは、デジタルの特徴のひとつであるが、こういう原理によるものだ。


「マス目が粗いもの」と「マス目が細かいもの」とでマス塗りをすると、マスの粗い方が作業が少ないものの、元の絵からすると乖離が大きくなる。マスの細かい方は作業が多くなる分、元の絵に近くなる。例えば方眼のマス目の一辺の長さが2分の1になると、マス目の数は縦で2倍、横も2倍になるため、2×2で4倍になる。
なお、マス目が細かくなると、それだけマス目が多くなる。マス目が多いと、それだけ情報量が大きくなる。


さて、今回は単純に塗る/塗らないという話を書いた。
・色はどうなんだ?
・動画は?音声は?
・文字データは?
とか疑問もあるかもしれない。が、基本となるのは上記の通りだ。