これは最近の話。

今のシステムを刷新し、新しいシステムを入れようとしているのだが、ある事業所ではそのシステムのフル機能を使っているとのこと。システム自体はADSL回線を介して専用のWebサーバーへアクセスする形式である。

今のシステムの現状を見にその事業所へ行ったら、「休日(昨日)建物に工事が入り、その翌日からシステムが動かない」とのことであった。
翌日、電話で確認すると「まだダメ」とのこと。
そろそろいいかな、と10日ほど経って確認すると「まだダメ」とのこと。

これじゃあその事業所では仕事にならないだろう。このシステムはうちのモノではないが、何とか力添えができないか?と先方の本社に申し入れた。すると本社の総務より、明日その事業所に同行してほしい、との連絡があった。


現地では、やはり事業所の親分が怒っていた。
今のシステム会社に連絡しても、足を運ぶわけでもなく「ルーターが故障しているので交換を」とのことであった。しかし、本社ではルーターの替えを用意するわけでもなく、ただただ時間が過ぎていたらしい。
症状を伺うと、接続台数や時間帯によっては使えたり使えなかったりするそうだ。調べた限り、LAN側は何の問題もない。
私はブロードバンドルーターの設定をだましだましできる程度で、ADSL環境は全くの素人だ。それでも何とかかんとか設定を終える。しかし繋がらない。

12:30に始めた作業が16:00になった。現状に戻して帰ろうとしたとき、急に回線が繋がりだした。新しいルーターに変えても問題なく繋がるようになった。
これはルーターの問題ではない

まず間違いなく回線の問題だろう、と回線工事の会社に連絡を取り、直近でいつ来ることができるのかを問い合わせたところ、翌日夜なら、とのこと。
その日は引き上げ、翌日夜は本社の総務の人が立ち会うとのことで、お役ご免となった。

翌日、NTTが回線を交換(経由回線を替えたらしい)したそうである。
その後はトラブルは起きていないらしい。


結果的に、「関係のないのに時間を取って解決の道筋をつけてくれた」とのことでの株が上がったそうである。
本来であれば関係のないことであり、私が立ち会う必要など全くないだろう。いわば越権行為だ。しかし、顧客は「今の自分の立場をくみ取って動いてくれた」という事に喜んでくれたのだ。金銭的に割り切れない、信頼関係というモノはこういう場面で生まれるのである。