幸いなことに仕事は絶好調



飛ぶ鳥を落とす勢いだった



Gは別れてからも

たびたび連絡があったが

戻る気は全くなかった



私にとってのGとの時間は

その時だけ‥

1人になると

余計に淋しさが募るだけだった



私には不倫は向いてない

そう実感させられた




しばらく経って現れたのが

Sだった



Sは私の四つ上

常に紳士な振る舞いで

年下の私にも凄く丁寧な口調だった



何故だかわからないが

気になって仕方なかった



会ったばかりなのに

惹かれて惹かれて仕方ない



こんな気持ちは初めてだった



毎日の連絡のやり取りに

胸がときめいた

私にとっては

初めての初恋のようだった



結婚を前提として

お付き合いが始まった



彼は嫉妬の塊で

私の行動をどんどん制限した



たとえ美容院、病院でも

男性との接触は嫌がる

常に行動を監視する



次第に友達のことも

管理するようになる



あまりにも制限されるので

ほとんど友達とも

連絡を取らなくなっていた



私も愛されている

そう勘違いして

彼のペースにのまれていく



マインドコントロールが始まっていた



絶妙なコントロールで

完全に支配されていく



両親の為に貯金をしなさい

自分が代わりに

貯金してあげるからと

信用して全てを預けていた



両親から借りていた

貴金属から何から何まで



ある日彼は全てを持って

私の前から突然消えた



最初は何が何だかわからなかった



まさか私が‥?

目の前の現実が信じられかった



洗脳が解けたとき呆然とした

巧妙な嘘

何で信用してしまったのか

耐え難い苦しみが襲う

どんなに後悔しても遅かった




警察に行こうとしたが

両親にも周りにも知られるのが

怖くて行けなかった



私は全てを失った

それは途方もない金額だった



自分が情けなくて

どうしようもなくて



目の前が真っ暗だった



「もう死にたい」



そんな私を

親友が必死で支えてくれた



両親には口が裂けても言えず

金策に追われる日々

毎日、必死だった



親友が協力してくれ

何とかお金を借りることが出来

両親のものだけは何とか返せた



今まで貯めた全てを失い



私には親友との絆と仕事

そして借金だけが残った