初めての彼氏は

中学2年の頃



彼は有名私立に通っていた

高校生だった



文武両道

剣道は国体選抜に選ばれるほどだった



いつも渋谷にいる彼

私も学校帰りは

渋谷に向かった

待ち合わせはハチ公前



彼の親友のDちゃんは

特に仲が良く

お兄ちゃんのように

毎日のように家に確認の電話がきて

いつも私を心配した



自分達の周りにいる

道を外した女の子達のように

なって欲しくないと

口を酸っぱくして言われた



私は決して

真面目な中学生とは言えず

その当時流行りだった格好で

街でたむろする日々だった



それまで男性経験はなく

彼もそれを知っていた為

私のペースに合わせ

大切にしてくれていた



そんな中、事件が起こった



無理矢理レイプされた

幸い怪我はなかったが



私はまだまだ子供で

男性の怖さを知らなかった



あんなに心配して

大事にしてもらってたのに‥



Dちゃんのいうことを

少しでも聞いてたら‥



大丈夫。と忠告を聞かなかった

自分を呪った



母親に知られるのが嫌で

警察にも行かなかった



何度後悔してもしきれない



自分が穢れてしまったようで

何度も何度も身体を洗った

心が痛かった



彼とDちゃんは

必死で犯人を探してくれたけど

私の気持ちは晴れなかった



それと同時に

彼を好きだった友達が

私の悪口を有る事無い事

彼に言ってたことがわかり

人間不信になっていた



私は彼から

距離を置くようになった



もう前の様には過ごせない‥

別れを告げると

センター街の真ん中で

彼は自分の持ってる傘でお腹を刺した

何度も何度も‥



雨に打たれ地面に座り込み

制服のシャツが真っ赤に染まる



目の前で起きた出来事が

信じられなかった



元々怪我をしていたと

後でDちゃんから聞いた



Dちゃんは別れて欲しくないと

何度も説得してきたが

私の決心は揺るがなかった



15の夜

短い夏が終わろうとしていた