家を出て数日が経った


お世話になってる分際で

失礼な話かもしれないが

全く掃除をしない

彼女の家に

ストレスを感じていた


人と一緒に生活することの

難しさを痛感していた


そんなある日

お財布の中身の現金が

無くなってることに気付いた


最初は数え間違えかと思ったが

やっぱり足りない‥


職場と友達の家との往復の毎日


犯人探しはしたくはない


けれど借金返済もある

私にとってはキツかった


黙ってられない私は

彼女に伝えることにした


疑われたことは

ショックだったと思うが

私の性格的に

疑念があるまま

友達では居られない


きちんと話し合い和解したが

結局、真相は藪の中‥


こうした不思議な出来事が

彼と出逢ってからよく起こる


その一件もあり

いかに彼との生活が

なんだかんだありながらも

居心地が良かったことを

思い知らされた



そんななか短期間ならと

所有しているマンションの一室を

厚意で貸してくれることになり


数日後、友達の家を後にした


家具も何もない部屋での生活


綺麗な状態でお返し出来るよう

出来る限り部屋を汚さないよう‥

細心の注意を払った


仕事が終わり

寝るだけの部屋


カーテンも何もない部屋は

私の心を少しずつ軽くしていった


迎えた私の誕生日


彼からLINEが来た


毎年欠かさず

タイマーをかけて送ってくれる

0時ちょうどのお祝いLINE


数年ぶりに1人で迎える誕生日


そんな事を考えてると

電話が鳴った

彼からだった


咄嗟に電話に出てしまう


出たことにビックリしたのか

久々に聞く不自然に

テンションを高くして

不器用な言葉を重ねる声


彼「誕生日おめでとう。

  お祝いしたいからご飯食べに行こう」


私「‥‥大丈夫です」


彼「それはないでしょ」


私「考えておきます」


彼「◯◯ちゃん。流れ星が綺麗だょ」


私「そうなんだ。もう寝ます」

  

まだ許すことの出来ない

素直になれない私は

早々に電話を切った


布団一枚だけ引いた

何もない部屋に


暗闇が戻った