夏のこどもたち (角川文庫)/川島 誠
¥460
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あらすじ

成績優秀だが、片目が無い少年・朽木が学校一の問題児とともに校則委員にさせられた。乗り気ではない朽木とは裏腹に、その問題児は意気込んで学校の校則に、生徒会のやり方に鞭を打ちはじめる。一方朽木は、校則委員で一緒になった転校生の中井に好意を抱くようになるが、母はそれを良く思っていない。

何かに囚われ、何かに縛られるなかで彼らはどの歩みを決めるのか――4つの物語で彼らはそれぞれの歩を進める短編集。



4つの短編小説(3つのベリー短編?と表題作の短編)がまとめられた1冊です。

それぞれの感想を簡単に書くならば


『笑われたい』

お調子者が調子に乗りすぎちゃう姿を傍観しているクールな男の子目線で描かれているのですが、なんかこれは読んでいて痛々しい。まぁその現況はお調子者の存在なのだけれど、こうやってしか集団に馴染めない人の性というか、その弱々しさが苦しい…


『インステップ』

転校生が新天地でうまくいかない様子をサッカークラブと並行して描いてあります。もう少し長い話にすると面白く読めたかもと思ったけれど、そうなるとなんか違う作品になるのかな。これは微笑ましく読めます。


『バトン・パス』

淡い恋の物語。ただ、題材がバトンパスということでより淡い感じが妙に恥ずかしい。でもなんか背伸び感が出ていてかわいらしいと思えなくも無いけれど。


『夏のこどもたち』

成績は優秀だが、片目が無い少年が学校という枠に、親という枠に囚われている様子が描かれています。窓から見える女性で自慰をするなど生々しい青さを挟んでおり、ちょっとこれを青春だというのは真っ直ぐすぎて僕は受け入れがたいものがありました。それに物語りもどこか唐突で乱暴な感じがしたのもうむむ。。。といった感じです。



4作読んでみて感じたのは

「想像と違っていた」。

もっと素直でキラキラポップな青春かと思いきや、どこかひねくれていて、そのひねくれ具合がなんか微妙で、文書もなんか作文みたいで…

僕が求めていたものと違っていた。というのが今の、読み終わった僕の感想です。


児童文学を馬鹿にするつもりは無いし、むしろ青い話は大好きですが、ちょっと読んでいてこっぱずかしい感じがあったのはどういったことだろうか。

ここのところここまで青い感じの初々しい子らの小説を読んでいなかったから?

文章や言葉遣いが無理に幼い感じに見えてしまったから?

4つの物語に登場する主人公(語り手)が一様にして斜に構えた感じだから?

ん~、児童文学として僕はとらえましたが、ターゲットはどちらかというと成人向けっていうのもモヤモヤする部分のひとつかも。

作者はターゲットを固定していないのでしょうが、こどもが読むには共感できない部分があるだろうし、大人が読むにはこっぱづかしいし…

まぁこの恥ずかしさこそが青春の魅力ではあるのだけれど…

特に「笑われたい」と「夏のこどもたち」はちょっとお子様目線なのに生々しすぎたかなと。


青い青い真っ青な青春小説ですのでちょっと気合入れて読む必要があるかも。



ふぅ…


よつばと!の10巻を読みました。

相変わらずかわいらしいよつばが描かれております。

今回はパンチの少ない巻でしたが、小粒でも旨みが詰まっているといった感じかな。

毎日という宝箱を今日もあける。

帯に書いてあったこのキャッチフレーズがぴったりな10巻でした。