- キノの旅〈13〉the Beautiful World (電撃文庫)/時雨沢 恵一
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あらすじ
キノはモトラド(注:二輪車)であるエルメスと共に旅をしている。訪れた国での滞在期間は常に3日間。その国を知るには丁度良く、それ以上は旅立ちづらくなってしまうから…
さまざまな国を知り、その国の状況を見守り、そしてまた旅立っていく1人と1台のファンタジー旅行記を淡々とした文章で描く。
『必要な国』
キノとエルメスが入国しようとすると、武器を使えるか、人を殺したことがあるかと聞かれる。入国審査員はこの国は治安は悪くなくむしろいいということと、もし旅人が殺されるようなことが合っては国の威信に繋がることを説明して入国を許可した。入国したふたりには国から心厚いもてなしを受け、お金を使うことない生活を許された。至れり尽くせりのキノの傍にひとりの男が武器を持って近寄ってきたが、キノはためらうことなく銃を撃つと警察が現れ死んだ男をひきとっていってしまった。キノの行動には正当防衛が認められたのだったが…
収録作
口絵『嫌いな国』 -Abandon Ship!-(シズの話)
口絵『凄い国』 -Nothing Special-
口絵『生きている人達の話』 -You Should Be So Lucky.-(師匠の話)
プロローグ『この世界の話・b』 -It Happens.-
『昔の話』 -Choice-(師匠の話)
『家族の話』 -Divorce-
『違法な国』 -Just Imagine It!-
『旅人の国』 -Lust Will-(シズの話)
『必要な国』 -Entertainer-
エピローグ『この世界の話・a』 -It Happens-
スペシャル『いろいろな話』 -a Beautiful Dreamer-
キノの旅の13巻です。
どうやら今のところ最新巻のようです。
見事に12巻をすっ飛ばして手にしてしまいました。
僕の中では次が最新刊だと思い込んでおり、しかもそのお店はラノベにビニールが被さっておりまして確認できず、でも電車のお供の本が無い!そこには読みたい本が置いてない!ゆっくり探している時間も無い!ようし最終手段のキノの旅だ!!ということで読むこととなりました。
感想をいいますと、ちょっとがっかり。
キノの旅でここまでがっかりしたのは初めてかもしれません。
物語は特別悪い!というものではなくて、むしろいい具合でした。
今回はキノの『旅』とは何か、そういった話がいくつかはいっていて、○○○○の特大インタビューがあったり、スペシャル収録もあったり、そうだ、師匠が優しかったりして何か節目として作られたのでしょうか。
いや、いいのです、そういった節目があっても。
でも僕ががっかりしたっていうのはそこで、キノの旅を楽しみにしていた僕としてはもっと物語が読みたかったかなと。
ここまできてファンじゃない!!とはいいませんが、僕が好きなのはこの作品の薄暗い雰囲気であって、スペシャル収録のようなにぎやかしや、作者の話が知りたいのではなかったかなと。
作者のインタビューみたいなものも比較的好きなのですが、そういうのは本を扱う雑誌等で読めればいいかなと…
という意味でがっかりでした。
口絵での物語りも含めて『キノの旅』は200ページ程度だったのでいつも以上にさくっと読めてしまいました。
ただもう一度いいますが、短いながらもアクションあり、無情さあり、理不尽さありでストーリーとしては決して悪くはありませんでした。
人は、他人の残酷さにはよく気づく。
-It's Hard to Say, But We Are Wrong.-
ふぅ…
すっ飛ばして読んでしまった最新巻。
ついに到達してしまった最新巻。
なのになんだろうこの気持ち。
このぽっかりとあいた小さな隙間。
あぁ、そうか、これが生きるってこと、生きているってこと―
じゃなくて、12巻がないってことか。
数字は埋めようと思えば埋められるから怖い。