今日は会社の二年目の後輩と一日遊んだ。
ジャズ好きのイケメン君。
信濃町にある民主音楽協会 っていうところに、ジャズの巨匠ハービーハンコック氏が寄贈したというピアノが置いてあるので、良かったら一緒に観にいかないかと誘ったのが年明け位。
ジャズのCDを焼いてもらったお礼に、食事でも奢るけど…と誘って、「ぜひ行きたいです！」とイケメン君も言ってくれて、日程まで決まっていたのだけれど、その矢先に震災が起こった。
民主音楽協会（略して民音）も節電のためしばらく休館になり、約束もいつという確定なしに延期になった。
それがようやく実現の運びとなったのが今日。
正直後輩がすごーく苦手な私…。
自分が妹のせいか、年上の人には割りと人懐こくいけるのだけど、後輩は本当に苦手
苦手と言ってもキライなわけではなく、仲良くしたいのだけど、何を話していいのかわからない
でも会社生活も○年目ともなると、先輩や同期は産休や寿退社で段々少なくなってくる。
後輩の友達を増やさないと会社で孤独になってしまう…と危機感を感じ勇気の一歩として誘ってみたんだけど、行く前は「会話もたなかったらどうしよう…」「つまんないとか思われたらどうしよう…」とビクビクだった。（小心者）
しかも待ち合わせは１３：４５信濃町駅だったのに、１０分位遅れた私…。
「ごごごごごめん…
」と、改札前から「走ってきました」風を演出しながら謝った姑息な私に「いや、大丈夫っすよ」と言ってくれるイケメンO君。
いや～私服姿初めてみるけどいいねぇ
（←オバハン）襟とか袖口とか、ワンポイントがバーバリー風のチェックになってるポロシャツにチノパンに斜めがけカバン。
そりゃ恋愛感情も何もないただの先輩後輩っていうドライな関係だけでも、はたからみたら完全にカップルでしょう。いいわ～鼻高いわ～
イケメンとデートだぜげへへ
（←変態）
勿論そんな変態っぷりはおくびにも出さず、「雨やんでよかったね～」と当たり障りない会話をしつつ民音に向かう。
民音は前から一度行きたかった場所。古典ピアノの展示や、今はリストの生誕２００周年を記念した展示をやっていて、そこには同じロマン派としてベートーベンも紹介されているとか。
しかも入場料がタダ！という気前の良さ。創立者が芸術を民衆の手に…という理念で設立した協会なので…。
ありがたいな。
「え？タダなんすか？」と驚くO君
入り口から入って階段を上ってすぐのところにハービーさんの寄贈したピアノがあった。
私たちが上がったときにちょうどスタッフの人がそのピアノを演奏してくれてた。
キレイな音色だな
耳は悪いんだけど、うちの実家にあるピアノとはやっぱり音が違う…
なんかこう豊かな音色というか…。
ハービーさんのピアノのデモ演奏の後は、もっと近くでそのピアノを見たがるO君を「あとでみようよ」と宥めて、次のデモ演奏コーナーへ。
オーケストリアン（だったかな？）っていう、それ一台でオーケストラの音色を奏でる自動演奏楽器の演奏をみにいった。
これは一日に一回しかデモ演奏しないっていう貴重な楽器。
大きなタンスみたいなののスイッチを案内のお姉さんが入れると、途端に音を奏で出す楽器。
すごい
そりゃ本当のオーケストラに比べたら音色はチープだけども、ちゃんと打楽器や弦楽器の音が揃っている
私は感心しきりだったけれども、演奏終了後O君に「いや～すごいね～」と言ったら、「チューニング狂いまくりですけどね」って苦笑気味だった
そりゃ～仕方ないってもんでしょ
次はオルゴールコーナー。
むか～しのオルゴールから現代のオルゴールまでを順番に聴けるっていう展示室。
これも面白かったな～。
あんなに豊かなオルゴールの音はじめてきいた。
最初のオルゴールは一個一個手作りで大変そう。
金属の突起がこすれて音を出すってすごくない？
ちょっと位置がずれたら音が狂うわけだし…大雑把な私には絶対ムリだ…。
それが次の時代になるとプレスして同じオルゴールの盤を簡単に作れるようになって…。
現代に近づいてくると、仕掛け時計みたいに、オルゴールの音に合わせてお人形さんたちが動いたり、鳴いたり…。
面白かったな～。そしてオルゴールの音色の癒されること…。
最初は「O君楽しんでくれてるかな？」と心配していた私だけど、途中からもう自分がうっとりオルゴールの音色に酔っちゃってO君お構いなし…。
オルゴールの展示室のあとは、お待ちかね古典ピアノ室。
昔の、まだチェンバロの時代から、徐々にピアノが現代風に進化していく各年代のピアノが展示してあって、お姉さんがデモ演奏してくれる。
ここは私たちピアノ好きのテンションはダダあがり
中には、モーツァルトが使用してたピアノと同じモデルのピアノがあって、世界で確認されてるのは２４台で、その内音が出るのがたったの４台。
そしてそのうちの１台（）っていう、めちゃめちゃ貴重なピアノもあった。
あと、ベートーベンの教え子が使ってたっていうピアノで、ベートーベンも教えに来てたときに触ったっていうピアノ。
もう～～～大興奮
あとすごかったのが自動演奏ピアノ。
鍵盤が勝手に下がって音が出て…、びっくりしたのがペダルまで勝手に下がってる
「すごいねあれどうなってるんだろうね？」と二人で首をひとしきり捻り…。
ピアノ室の次はリストの展示。
あんまりクラシックは聴かないというO君。
さあここは私の出番
リストについて知ってることや、大好きなベートーベンについてひとしきり熱くあつ～く語る
「す、すごい詳しいっすね…」と若干引き気味のO君。ついてきてっ
展示室のあとは世界の楽器コーナー。
中には自分で触って音を出せる楽器があって、太鼓を叩いたり木琴を叩いたり…。
「やっぱり音階が気持ち悪いな…」と首をひねるO君。昔の楽器なんだからそりゃ仕方ないがな…。
民音すごく楽しかった
「これでタダってのがすごいです。１５００円位取られてもいい位っす」と０君も大満足の様子でよかった
さてまだ４時前。夕食食べに行くにも早い時間なので、どこか行きたいところはあるかと聞いたら「ヒルズに行きたい」って。
六本木へ移動。まだ日が高くて景色もろくに見えそうになかったのでヒルズ近くのTSUTAYAに行った。
２階のCDコーナー。
ここでは別行動。私が色々試聴してる間にO君はジャズのCDを買った模様。
１階の本屋コーナーではキレイな装飾の風景写真集を立ち読みして、「海外はどこに行ってみたい」とか「田舎はこんな感じ」とか話しつつ…。
ずっと歩いて話してたら喉が渇いてきたのでタリーズコーヒーでお茶をした。
正直O君とは同じ部署とはいえ仕事の接点もないし、お互いフレンドリーなタイプでもないので、今まであんまり話をしたことがなかった。
なので会社の話とか、音楽の話とか、趣味の話とか、他愛もないことが結構新鮮だった。
さて、いい具合に夕方になってきたのでヒルズの展望台へ。
最初は森美術館へ。
私ここの展示でいいと思ったこと一回もないんだよな。現代美術ってわからん。
「盛り下がると思うけど行ってみる？」ととりあえず行ってみたけどやっぱりよく分からない…
美術館はさっさと切り上げ、スカイデッキへ。
ふきっさらしのビルの屋上。
高い～～すごいキレイ～～～～
だけど…。
さ、さむい
段々日が落ちて暗くなっていく過程がみたいねなんて言ってたんだけど、こう寒くっちゃ…。
やっぱりあったかい下で見よ
ってことで屋内の展望台へ。
カ、カップル多いな～～～～
窓側に設置された椅子に座ってるの、カップルばっかり…
一個空いた椅子に座って、暗くなるのを待つ。
曇りの白い空が段々暗くなっていって、それに反比例して地上がキラキラと明るくなっていって…。
ロマンチックな光景を観ながら交わす会話といえば、「O君は彼女が上京してきたときはどこ行くの？」っていう話題だったり…
遠距離恋愛中のO君、隔週で行ったり来たりしてるそうだけど、こっちではまだあんまりあちこち行ってないそうだ。
そこで東京在住歴のそこそこ長い私がお薦めのデートコースを伝授…。
はたからみたら私たちもカップルなんだけどな～、近くで会話をきくと男性が女性にデスマスの敬語で、女性が「江ノ島いいよ江ノ島！！」と力説してるっていう…
結局一時間位夜景みてたな。
「お腹空いて来た？」と聞いたら、「実は今日何も食べていないんです」とO君。
げげっ！なぜそれを先に言わぬ…
私なんか朝からニンニクチャーハン食べて１０分遅刻したというのに…
「それ早く言ってよ～～～！」と、展望台を降りて、食事をしに行った。
目星をつけていたのは、ミッドタウン近くにある「やぶ屋」 という名古屋料理屋。
先月友達の憲子と行ったんだけど、安くておいしくてメニューが豊富
「さあなんでも食べていいよ！！」（※安いから…）と先輩ぶって勧めて、宴会スタート
お酒はあんまり得意じゃなくて、部署の飲み会でも１杯くらいしか飲まないO君だけど、酒豪の私につられて結構飲んでた。
私はマッコリやジャスミンハイを６～７杯（おいおいねーさん）、O君は梅酒を３～４杯ってとこだけども…。
ここでの話題は主にジャズ。
音楽大好きな私、ジャズにも興味あるので、「モード奏法ってどういうやつ？」とか、「マイルスデイビスがジャズ界の偉人って言われる理由は？」とか、質問攻め。
酔ったO君が、会社とは別人のような感じで身振り手振りを交えてジャズについて熱く語り、私の冗談にも声を出して笑ってくれる様子はかなり嬉しかった
あれだけ盛り上がらなかったらどうしようなんて事前に心配してたのは杞憂だったな
気付いたら、「さくらさん、１１時半です」とO君。
え？もうそんな時間？？
お店入ったの８時位だったのに…
やばいやばいと慌ててお会計を済ませつつ…。
「あっという間だったね。」と言ったら、「ほんとですね。正直こんなに盛り上がるとは思いませんでした。こんなに話したの久しぶりです」ってO君。
大人しいO君、普段はあんまり話さないんだって。
これって誘った側からしたらかな～りの褒め言葉じゃなかろうか？
私も楽しかったなー音楽の話いっぱい出来たし、なんていってもイケメンとの擬似デートの気分いいことったら…
今日を皮切りとして、後輩にも人間関係広げていけるように頑張ろう
O君、一日付き合ってくれてありがとさ～～～ん