人との出会い。人との別れ。
今まで、多くの人と出会い、多くの人と別れてきた。
川が交差して、また離れていくように。
人間は一人で生まれ、一人で死んでいく。
誰と関わっても、最初から最後までずっと一緒にいるのは自分ただ一人だけ。
でも人との出会いはそのとき限りのものではない。
出会い、離れていったとしても、川に水かさが増えるように、その人が自分に与えてくれた思考、言葉、心はずっと残る。
人間はそうやって月日を重ねるごとに成長し、深くなっていく。
私の人生にとって、ものすごく大きなものを残してくれた人、まあつん が、もうすぐ日本を去ることになった。
とても優秀な人だから、今までも留学だのワーホリだのグローバルに活動していたけれど、今度はご家族で移住。
今までみたく、何年したら帰ってくるっていう終わりが見えるものではないのだ。
出会ったのは私が大学二年生になったばかりのとき。まあつんは一つ上の先輩で、すぐ近くのアパートに住んでいた。
それから卒業するまでの三年間、まあつんは姉のように私を見守り、慈しんでくれた。
精神の成長という意味で、まあつんが私に対して果たしてくれた役割といえば、まるで第二の親のようなものだ。
まあつんと出会うまでの私ときたら、自我ばかり強くて、人に対しては懐疑的で、そのくせ臆病で、かなり嫌なヤツだったと思う。
(言い訳だけど生まれつきじゃない。高校時代までのあれやこれやで、素直で明るかった幼女がすっかりひねくれてしまった成れの果てってことで…
)
自分に力がないことは自分ではひそかに分かっていたけれど、人にそんな自分を知られるのは怖くて、勝負に出ようともしなかった。
勝負しなければ、“勝負すればきっと勝てるけど、ただ勝負してないだけ”と自尊心を保っていられるから。
そんな頑丈に鍵をかけてた心を、まあつんが辛抱強くノックしてくれて、ようやく開くことができた。
まあつんが私にかけてくれた言葉の数々、代わらない優しさ、笑顔は、“どんな自分でもこの人なら受け入れてくれる”という安心感を与えてくれた。
それまで精一杯虚勢をはって自分を良く見せようとしてた私だけど、虚勢をはる努力をかなぐり捨てて、その分の労力を本当に自分をよい良い人間に成長させていくために使ったほうが遥かに価値的じゃないかと思わせてくれた。
そのために、力のない自分、ちっぽけな自分をさらけ出すことは最初は勇気がいったけど、一歩を踏み出したら、世界はまるで姿を変えた。
自分から心を開いていくことや、人を信じること。自分の弱さを認めること。ありのままの自分を好きになること。
カッコ悪くても、一歩一歩、悩みに対して真正面からぶつかっていくこと。
それだけで、今までずっと立ち込めてた暗雲が嘘のように晴れ、強烈な光が私の世界を輝かせた。
太陽はずっと昔からあったのだ。変わらずに私を照らしてくれていた。
ただ私が扉を閉めていたから、気付かなかっただけ。
一足先に太陽の世界にいたまあつんが、「一緒に太陽の光を浴びようよ」と扉を開くきっかけを与えてくれたから、私はその明るさ、温かさを知ることができた。
光のもとで見れば、自分はなんて素晴らしい人たちに囲まれていたのだろうと、今まで見えなかったたくさんのことに感謝できるようになった。
勿論、扉を開いたことで、人前でたくさん失敗もしたし、恥もかいた。
自分の小ささに凹むこともあったし、カッコ悪いなあって落ち込むこともあった。
時にはまあつんに八つ当たりしたり、子供じみた態度をとって困らせたことも多々あったと思う。
それでもまあつんが嫌な顔をすることは一度もなかったし、いつでも笑顔で「そのままで大丈夫だよ。一歩一歩前に進んでるよ」と私を励まし、安心させてくれた。
人間の心はどこまで美しくなれるのか、身近な体現者は私にとってまあつんであり、私にとっての目標だった。
それは今でも同じ。
卒業後、私は就職で都心に引越し、まあつんは院に進学してデンマークに留学したり、カナダ人の素敵な旦那様と結婚して福岡に住んだり、前ほど頻繁には会えなくなったけれど、まあつんが私の心に蒔いた種は花となって、今でも薫風を香らせてくれている。きっとこれからもずっと。
まあつんがカナダに移住してもそれは変わらないし、この情報化時代、メールやブログでお互いの近況は知れるにしても…。
寂しいじゃないかぁ~~~~~~っっっっっ![]()
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そりゃね、今だって東京と福岡の遠距離友情ですよ。
直接会ったのなんかもう何年前だっけ?って話ですよ。
でも同じ日本なら、会いたいと思えば飛行機に乗ってすぐ行ける![]()
煮詰まったときは電話で声だって聞けるし、手紙だって二日で着くよ。
でもカナダと日本じゃ…遠い、遠いよ![]()
同じ会ってないでも、“会おうと思えば会えるけど会ってない”のと、“会えないから会ってない”のじゃ全然違うんだよ~っっ![]()
ああ寂しい…。
卒業して何年経っても妹分の私はまあつんに対してはわがままいっぱい。
出発するまで寂しい寂しい言い続けてやろう…
ってのは冗談ですが…(たち悪いな)
5年後のリフレッシュ休暇、カナダにでも行くかな。プリンスエドワード島にも行ってみたいし。
5年先はちょっと遠いけども、歩みの遅い私が胸をはって「こんなに成長したよ!」って言えるようになるにはちょうどいい期間かもしれない。
もっともっと、強くならねば。
最後に、大学時代まあつんちに貼ってあって、欲しい欲しいとしつこく言い続けて卒業後にやっともらったまあつん手作りのこちらを↓ 学生時代、「アンパンマンのような人になりたいね」ってずっと言いあってたな。
まあつん、元気で。離れてても、ずーっとまあつんの幸せを祈ってるよ!!
