私の数少ない自慢話の一つに「ウィーン少年合唱団と富士急ハイランドで遊んだことがある」というものがある。

まあ残念ながら、話してもあまりうらやましがられないというやや効力の薄い自慢話なので、今まであまり活用したことはないが…。


もうすぐウィーン少が来日するので、そのときのことなど。


ウィーン少はほぼ毎年来日してるが、スポンサーは結構その年ごとに違う。

2000年は招聘元がテレビ朝日だけあって、その年の映画ドラえもんの主題歌を歌わせたり、ファンクラブを発足したり、だいぶ宣伝に力が入っていた。


コンサートにはその前から足を運んでいたけど、その年はファンクラブに入ればコンサート終了後にメンバーと記念撮影が出来るということで、まんまと入会した私(笑)


そのファンクラブの集いが、前述した「ウィーン少年合唱団と富士急ハイランドで遊ぼう!」だったのだ。


6月の平日だったが、こんな機会はめったにない!と意を決して学校をサボり、一人で電車を乗り継いで富士急ハイランドに行った。


その年のメンバーの一人に、カナダ出身のアレックス・バルニー君というめちゃめちゃ歌の上手いソリストがいて(今でも私の中でのナンバーワンはアレックス君)、大人気だった。


メンバーは四組くらいに分かれていて、グループごとに思い思いの乗り物に乗るので、ファンも自由に一緒についていっていいことになっており、当然ながらアレックス君のグループが一番ついていくファンの数が多かった。


私もその場で少し仲良くなったファンの人とアレックス君のグループについていったが、まるでアイドルのおっかけのようなファンの加熱ぶりに途中からちょっと辟易してしまった。


そして小さい団員の子達は、仲良い子達同士で乗り物に乗りたいだろうに、アレックス君たち年長の団員の子達が、ファンの人と一緒に乗るように指図していて、ちょっとかわいそうになったものだ。


一人の子などすっかりふてくされてしまっていてつまらなそうにしていたので、どきどきしながら拙い英語で「あなたは乗らないの?」って聞いてみたら、「NO」とあっさりふられた(笑)


めげずに「疲れちゃった?」とさらに聞いてみたら「NO,I am not tired.」とこれまたニコリともせず答えられ、凹んだ当時の私…^^;


(今となっては全く経緯が思い出せないが、そんな私がなぜかある乗り物で一番人気のアレックス君と2人で乗り合わせた。会話はこれまた私のへたくそな英語での“あなたの声はとても美しくて大好きです”に対して、大人びた笑顔での“ありがとう”だけだったけど…。私どうやってあの争奪戦の中アレックス君の隣をゲットしたのだろうか…笑)


そんな感じで、アレックス君グループの盛り上がりについていけなかった当時十代の人見知りの私、途中で他のこじんまりとしたグループに行き当たったので、そっちに乗り換えた。


そちらは目立つソリストがおらず、小さい団員の子達が多いグループだったので、ファンもそんなに一緒にいなかった。


ホッとするわ~。


年配の女性のファンの方とお話しながら、はしゃぐ団員の子達を微笑ましく思いながらのんびり後をついていっていたときのこと。


ポンポン、と背中を叩かれた。


振り向くと、目のくりっとした、小さな団員の子。

本名はもう忘れてしまったが、目が大きくて前歯がちょっと出てるので、あだ名が「ラッテ(ネズミ)君」という子だった。


ラッテ君、前方にある乗り物を指して、「あれに一緒に乗らない?」と。


え?私を誘ってくれたの??

う、嬉しい…なく


「乗る!」と答えたら、ラッテ君、「いえーい!!」と叫びながら猛ダッシュで駆け出してしまったダッシュ


ちょ、ちょっと、一緒に乗る気あるのよね?ガーン


慌てて追いかけていった私、二人乗りの、ディズニーでいうダンボみたいな乗り物だった。


ラッテ君、走っていった勢いのままに乗り込もうとして、「あ!」と声をあげて乗るのをやめた。


「ん?」と思っていると、さっと身をひいて、私に手をさしのべ、「お先にどうぞ」と。


プシュー…らぶ1 あ、いかん鼻血が…静まれ心臓ガクリ(黒背景用)ドキドキ


ラッテ君、当時9歳。さすが宮殿で生活している少年合唱団、当たり前に紳士としての作法が身についている。


二人で乗り物に乗ったものの、動き出すまでに時間が…。


この子を退屈させてはいけない!誘ってくれた恩に報いねば!と使命感(?)に燃えた私ドンッ


ド下手な英語で、「三ヶ月もご両親と離れてて寂しくない?」と聞いてみたら、ラッテ君、大きく頷いて「とても寂しい」と。


そうよね、まだ9歳の子が親元を何ヶ月も離れてるなんて…と同情の顔をしてみせた私を、ラッテ君は悲しませたと思ったのか、慌てたように「でも日本は楽しい。日本は大好きだよ」と言ってくれた。


こんな小さいのに人の心を慮れるとは…なんていい子なのっ悔し泣きとこれまた感動キラキラ


乗り物が動き出すと、ラッテ君大はしゃぎ!

「ヤッホーイ!!」「イエーィ!!」と叫んでいる…(笑)


そして途中で、私に「Are you afraid!?(怖い!?)」と聞いてきた。


正直絶叫系大好きな私ドクロ ダンボレベルなら寝ながらでも乗れるが、正直に答えたらラッテ君ががっかりするかと思い(←超日本人)、「怖いよ、あなたは?」と聞いてみた。


そしたらラッテ君、「Look!(見て!)」と。


ラッテ君の方を見ると、掴まっていたバーから手を離して、私の方に向かって「バァ!」と得意げに手を広げて見せた。


プシュー…らぶ1 あ、また鼻血が…輸血輸血…ガクリ(黒背景用)ドキドキ


もう~このときすっごい楽しかった。


降りるときも手を差し伸べてエスコートしてくれて、私の靴紐がほどけてることまで指摘してくれて…。(←結んどけよ)


途中まで人見知りして「来なきゃ良かったかも…」と思ってたけど、ラッテ君のお陰でものすごく楽しい思い出に変わった。

ファンクラブは一年でやめてしまったけど…。


余談だがこのときメンバーとフジヤマにも載ったのだけど、フジヤマで「キャー!!」とソプラノで叫ぶメンバーの美声だったこと…(笑)


ちなみにラッテ君、当時の団員の中で最年少だったので、ドラえもんの主題歌では台詞部分を担当していた。


ティアドロップス☆☆


このCDで、曲の合間に「ハイ、タケコプター!」とあどけない声で叫んでるのがラッテ君(笑)


ちなみに2000年来日組は恵まれていて、記念のCDもリリースされている。


ティアドロップス☆☆
トリッチトラッチポルカ

アレックス君のソロも収録されているけど、アレックス君は高音が非常に美しかったのに、曲があんまり高音が堪能できないシューベルトのアベマリアで残念…。セレクトしたの誰よっ!!


前列一番左にいるのがラッテ君。

もう19歳の立派な青年になっていることでしょう。

アレックス君は退団後カナダに帰国したが、いまだにミュージカルだかなんだかで歌っているらしい。


さて、もうすぐ来日する2010年組のレベルはいかほどでしょうか。

アレックス君を超えるソリストはいるのかいないのか…楽しみラブラブ



ティアドロップス☆☆
今日の手抜き弁当はマーボー弁当。下にご飯詰まってます。

右側にある得体の知れない物体(笑)は、キムチポテトサラダ。

見た目は残念な感じだけど汗おいしかったラブラブ!