昨日の夜九時からNHKで放送していた真央ちゃんの番組の感想…の前に。
一昨日の夕方テレ東でやってたバンクーバー特集にジェフが出た~![]()
ジェフ…去年の秋まではスケーティングのキレイな王子様みたいなイケメンスケーター程度の認識だったんだけど(顔は男子フィギュア界の中で一番好み
)、10月にさいたまスーパーアリーナで行われたジャパンオープンで初めて生の演技を観て、すっかり虜になってしまった。
フィンジのエクローグという、とても優しくどこか寂しげな曲で演じてくれたのだけど…降り注ぐ陽光に感謝するかのような振りから始まったその演技はひたすら美しくて美しくて…もうこのまま永遠に時が止まってしまえばいいのにと思った位感動した。(楽しみにしてたTV放映では一番曲が盛り上がるところで有香さんが長々と解説を…
有香さんの解説好きなんだけど、そのときばかりは黙って!!と思った…)
それ以来すっかり好きになってしまったジェフが何気なく観てた番組に出てきてテンションあがった
ツボに入ったところ。
いのっちが「ごめんなさいね、こんな遅くに」(バンクーバー時間では深夜)と言ったとき、ジェフが、あのスマイルで、「問題ないよ、あとで寝るから」と言いながら最初オヤスミポーズ(片方のほっぺに揃えた両手を添えるやつ)を取って、それはすごい可愛かったんだけど、言い終わった後、「いいのいいの」という風にカメラに向かっておばちゃんの手つきをやったところ(笑)
「あらヤダ」っていうあの手つきですよあの手つき(笑)手招きみたいな…。
ジェフさん…(笑)
見た目は夢の王子様みたいなのに、若干いじられキャラみたいなつっこみどころ満載の性格が好きよー![]()
そういえばJOのときも応援席で一人小猿のようにうろちょろして、北米チームでソファで一人になっちゃったときに寂しかったのかちゃっかり欧州チームのランビの隣に移動してたのが可愛かった
(←オペラグラスで応援席をウォッチングしてた人)
さて、昨日のNHKスペシャルの感想。
結構面白かった。最初に真央ちゃんが技と技の間にどういうつなぎを入れてるかというところを一個一個細かく教えてくれて、「なるほど~」という感じだった。
なぜ比較対象が真央ちゃんのFP「鐘」に対しヨナのSP「007」だったのかは…あまり深くつっこまずにおこう(笑)
ただ一つずっこけたのが、番組の当初から、去年の世界選手権で真央ちゃんとヨナの演技構成点の差が8点だったので、真央ちゃんはそれを埋めるために技と技のつなぎを濃くした…っていう流れだったんだけど。
そのために、ヨナの007のステップに入る部分をわざわざ出して、「普通選手はステップに入る前このように一呼吸おくことで身体を休めます」といい、「しかし浅田選手は…」と真央ちゃんがステップに入る前高度なツイズルを入れてステップ前のつなぎも濃くしている、という流れだった。
ヨナはわざわざインタビューで、「一呼吸おくことで身体を休めてます」とまで語っていた。
「そして迎えたフランス杯…」で、真央ちゃんとヨナの演技構成点の差は…。
同じ8点差で負けた。
しかもこのときは真央ちゃんのジャンプの調子が悪く、技術点は世界選手権のときより更に差が開いてしまった。
ジャンプは続くロシア杯で更に深刻な事態になった。
という番組の展開に…。
ちょっと待てーいっっっ![]()

こらこら、ジャンプの問題に行く前に、演技構成点の話はどうなった…![]()
なぜ世界選手権のあと演技構成点を伸ばすためにつなぎをこれ以上は無いという位濃くした真央ちゃんが、「一呼吸置いて身体を休めてます」なヨナに去年と同じ8点差で負けるのかっていう説明はなしか…
NHKよ、幾ら採点結果に説明がつかないからって、スルーするなよ…
番組はそのままキレイにジャンプの問題に移行していきましたとさ…。
しかしそんなことはともかくとして(の割りに長々語ったけど)
一番感動したのは、タチアナコーチの芸術性。
昨日はヨナとの比較だったので、オーサーコーチも出てたんだけど、オーサーはライバル選手たちの点数を細かく分析し、ヨナのプログラムをどうやったら効果的に見せるか研究しているそうな。
ちょっとせこい気はしたけど、まあこれが一般的なコーチなのだろう。
しかしタチアナ…。
鐘の最初の入りの部分だけで、何度も音楽をとめて真央ちゃんにやり直しをさせる。
曲の導入部なんて、技じゃあるまいし、得点には何も換算されやしない。
でもその部分を何度も「違う」と言って繰り返し練習させる。
最初の止められてた演技でもそんなに悪く思わなかったけど、タチアナがオッケーを出した演技の映像と比較すると一目瞭然。
より美しく、力強く、調和性の高い動きになっている。(正直タチアナすごい…と思った)
また真央ちゃんが文句も言わずに、言われるがままに何度も何度も素直に繰り返すのだ![]()
タチアナについてから、隅々まで神経の行き届いた身体表現の美しさは飛躍的に伸びたと思っていたけれど…。
その陰にはこれほどまでに地道で根気のいる訓練があったのかと、改めて脱帽する思いだった。
今の真央ちゃん。本当にどの一瞬を切り取っても美しい。リンクに立ってる姿だけで清楚な一輪の花のよう。
そして真央ちゃんの仮面舞踏会の映像を観て、涙を流すタチアナには本当に感動した。
不満ももらさず黙々とついてきて、タチアナの求める芸術性の高いプログラムを完成させた真央ちゃんは、タチアナの理想の体現者なのだろう。(タチアナ、真央ちゃんが可愛くてたまらないという顔をしている
)
自分の求める芸術が、自分の手によって花開き、目の前に姿かたちとなってあらわれる。
その姿を、教え子が試合に勝ったからとかではなく、ただ純粋にそこにある作品として鑑賞し、涙を流す…。
これ程までフィギュアに深みのある芸術を求めるコーチが他にいるだろうか。
選手としてどちらが良いか。試合に勝つための戦略を練ってくれるコーチと、美の表現者としての技術を叩き込んでくれるコーチと。
ヤグディン、荒川静香、真央ちゃん。タチアナコーチにつく前と後では生まれかわったかのよう。
特にヤグディンの変化はすごすぎる…(笑)タチアナのもとに来る前は「空飛ぶタブレット」と呼ばれていたらしい。(それもひどいなロシア…笑)
番組冒頭の、「自分の限界に挑戦し、それを乗り越えた者だけがオリンピックチャンピオンになれる」というタチアナの言葉は、男子が終わった今となっては若干怪しいが(汗)、本当にそうならばその資格があるのは真央ちゃんだ。
誰よりもフィギュアを愛し、日本選手陣が「一番練習量が多いのは?」という質問に口を揃えて「真央」と答える位の練習の鬼。
毎年毎年新しいことに挑戦し、たくさん涙を流しながらも全て乗り越えてきた。
どうかこれまでの真央ちゃんの努力や苦悩が、五輪で報われますように。
順位やメダルよりも、人々の記憶に残る真の金メダリストになれますように。
