眠いのにまだ寝たくない夜

やることは何もなくて
読みたい本もなくて

部屋でたった一人
机に頬を押し当てて
黙って流れる音楽に耳を傾けている

ひとりはこんなにも心地良いものかと思う

人は誰でも
心に誰も入り込めない領域をもつ

普段は感じない
誰かと話してるときや
わらってるときは

だけどふとした瞬間に
まるで懐かしい幼友達のように
そっと顔をのぞかせる

それは例えばひどく傷付いた日の夜に

心がしみじみと満たされている
今日のような夜に