はじめて彼を見かけたとき、きっと長生きしないだろうと思った

ひょろひょろと背ばかり高くて 首も手も足も細くて

いつもやたら浮かれて バカみたいにはしゃいで

そのくせ時々ひどく冷めた目つきで

世の中を一瞥してた


今彼は遠く離れた場所で

人を傷つけ 自分を守り

作っては壊し 泣いては嘲笑し

全てをもてあましながら生きていると聞く


彼はいつか気づくだろう

あの頃、大きな心に包まれていたと

刹那的だと笑って信じようともしなかった愛に

自分が今でも包まれている、と