中島みゆきの歌に「たびびとのうた」っていう歌があって、「家なき子2」がはやった中学のときにテレビで聴いた。

サビの歌詞は「あの愛が消えてもまだ夢は消えない」で、中学時代の私は、逆の方がいいんじゃないかと思っていた。

夢を失っても、愛があるなら生きていけるんじゃないかと。夢より、愛の方が強いんじゃないか、いや、強くあってほしいと思っていた。

きっと未来が遠すぎて、夢をまだそんなに重要視してなかったときのこと。愛とか恋とか、そっちの方にまだ関心が強かったころ。

成長するにつれて、もともとの歌詞の方が、やっぱりいいって思うようになった。

「あの愛が消えてもまだ夢は消えない」

強い人の歌だと思う。
一つの愛を失っても、まだ夢があるから生きていける。

痛々しい、寒風の中をただ黙って一人きりで歩いていくような人。

思えば、どんなにつらいときも、いつもそばで支えてくれたのは「希望」だった。言いかえれば、「夢」だ。

まだ25年しか生きていないからたいした苦労はしていないけれど、それでもつらいと思っていた時期があった。
なぜこんな苦しみが、よりによって私にふりかかってきたのかと嘆いた時期があった。

そのとき、今思うと結構赤面ものだけど、思ったことをつれづれとノートに書いていて(思春期…)、そのときのノートは今でもとってあるのだけど。

「もう生きていたくないと思うような苦しみの中で、
それでも“もしかしてもうちょっとしたら健康になるかも”。“もしかしてもうちょっとしたら解決するかも”。
そんなたくさんの“もしかして”に励まされ、今日も生きてる」

そんな一節があって、拙い文なんだけど、それをずっと後からよみかえしたとき、「あ~人が生きていくのに必要なのは“希望”なんだ」としみじみ思ったんだ。

“もしかして”は現実となって、今じゃすっかり健康になって、あの時私をあれほど苦しめていたことも、遠い夢の中の出来事のよう。

そして今だって、たくさんの希望に支えられて、一日一日は私にとってきらきらと光り輝いている。

これから先、何を失っても、希望だけは失わずに生きていきたい。

今日は、愛を失った人が、希望をもってたちあがる歌を思い出して(たびびとのうたとは別に)、そんな風に思った。

アクセスの「TEAR'S LIBERATION」(2番だけ…)

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着慣れたシャツを ルーズに詰め込んで
これから僕も 街を出よう

いつかどこかで君に会えるように
そのとき全部わかるように

君だけかもしれない あんな風に微笑えるのは
僕たちが出遭った理由を 哀しみで終わらせない

it's my tear's liberation

open my heart
切なくゆれる夜にも 痛みを恐れずに
閉ざした壁を破ろう

open my wings
手探りで知る未来に その手を伸ばしてみる
答え求めて

蘇る輝きが 寂しさを越えていく

it's my tear's liberation

open my heart
いくつかの夢のかけら
思いは途切れてもこのまま立ち止まらない

open my wings
傷ついた夢を抱いて
もう一度歩き出せる I Believe...

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心を開くっていい言葉だよね。



(※以前別の場所に書いた記事を転載したものです。)