「誰かの家」 | 本の話がメインのつもり

本の話がメインのつもり

気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

 

 

三津田信三さんの短編集

「誰かの家」を読みました。

 

 

六編の短編集です。

どれも怖かったです。

 

特に「ドールハウスの怪」と

表題作「誰かの家」はぞっとしました。

 

「ドールハウスの怪」は

子供の頃に蔵で見つけた

ドールハウスを使って殺人遊びをしていたら

そのドールハウスと同じ間取りの家に

引っ越すことになったという話を

”聞く”という体裁で進む短編です。

(実際には”聞いた”話を

 さらに作者が”聞いて”書きとめるという体裁ですが)

 

怖い短編ってこの”聞く”体裁で

進む話が多いですよね。

体験者の実録っぽいのより

リアリティがあるし、

語り口調なので実際に話を”聞いている”ような感覚が

実話怪談のようで怖いんです。

 

「誰かの家」は怪しげな一軒屋に

空き巣に入ろうとするお話です。

得体の知れない家の中の描写が

非現実的で本当にぞっとするんです。

 

幽霊とかそういう系統の怖さではなく

まさに得体の知れなさからくる怖さですね。

 

 

三津田作品もクセになりつつあります。