![]() | 誰かの家 (講談社ノベルス) 972円 Amazon |
三津田信三さんの短編集
「誰かの家」を読みました。
六編の短編集です。
どれも怖かったです。
特に「ドールハウスの怪」と
表題作「誰かの家」はぞっとしました。
「ドールハウスの怪」は
子供の頃に蔵で見つけた
ドールハウスを使って殺人遊びをしていたら
そのドールハウスと同じ間取りの家に
引っ越すことになったという話を
”聞く”という体裁で進む短編です。
(実際には”聞いた”話を
さらに作者が”聞いて”書きとめるという体裁ですが)
怖い短編ってこの”聞く”体裁で
進む話が多いですよね。
体験者の実録っぽいのより
リアリティがあるし、
語り口調なので実際に話を”聞いている”ような感覚が
実話怪談のようで怖いんです。
「誰かの家」は怪しげな一軒屋に
空き巣に入ろうとするお話です。
得体の知れない家の中の描写が
非現実的で本当にぞっとするんです。
幽霊とかそういう系統の怖さではなく
まさに得体の知れなさからくる怖さですね。
三津田作品もクセになりつつあります。