「書楼弔堂 破暁」文学ウンチクなど | 本の話がメインのつもり

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気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

書楼弔堂 破暁/集英社


時代:♪♪♪♪ /5
ウンチク:食食食食 /5


京極夏彦さんの
「書楼弔堂 破暁」を読みました。


病を得たため、休職し、
妻子とも別居を始めた高遠だったが、
病が癒えた後も
気ままな一人暮らしを続けていた。

ある日、馴染みの本屋に聞いた
古本屋”弔堂”を訪れた。
そこは灯台のような建物で
中は薄暗く、
丸善よりも本が多いように見えた。



明治二十年代を舞台に
「本を弔う」という一風変わった古書店主と
元武家で無職の高遠が
様々な客とやりとりをする
連作短編です。

京極堂シリーズをご存知の方は、
弔堂≒京極堂
高遠さん≒関口さん、というポジションだと
ご説明すれば
かなり雰囲気が伝わるかしら、と思ったり。
殺人事件は起きませんけれど。

代わりに弔堂には毎回すごいお客様が
やってきます。
泉鏡花だとか、勝海舟だとか……。
そして最後の章では
京極堂シリーズのファンには
嬉しいお客様も。

明治時代の雰囲気もたっぷり味わえて
その当時の文学がお好きな方なら
文学談義も楽しめる1冊と
なってましたよ。

これはまた何か別の作品に
リンクしていく気配を感じますね。