「草祭」不思議な町の連作短編 | 本の話がメインのつもり

本の話がメインのつもり

気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

草祭/新潮社

幻想的:☆☆☆☆ /5
怖い:0202 /5


恒川光太郎さんの
「草祭」を読みました。


『けものはら』
 中学3年生の初夏の夜、ぼくは友人の春が
 行方不明になったと聞いた。ぼくは昔、春と一緒に
 迷い込んだ”けものはら”のことを思い出していた。

『屋根猩猩』
 幼かった私は空き地で知らない男の子と話していました。
 深い意味もなく獅子舞になりたい、と言った私に
 男の子は「予約を入れておいてあげる」と告げました。

『くさのゆめがたり』
 遥か昔の話、私の関心ごとは人よりも植物だった。
 毒や薬については叔父が教えてくれた。そして、
 禁断の神薬クサナギについても。

『天化の宿』
 私はタッペイとコウヘイという不思議な双子に
 「クトキの旅の人」と呼ばれて、家に案内された。
 そこでは双子の両親も親切にしてくれたが。

『朝の朧町』
 私は赤の他人である長船さんの家に4年も
 居候していた。長船さんの故郷である美奥という
 土地の不思議な話はいつも私を魅了した。



どの短編も美奥という町が舞台
もしくは関連のあるお話ばかりです。

この町では不思議なことが
ごく自然に起こるという設定に
なっているようです。

恒川作品独特の
不思議でちょっぴり怖いファンタジーが
満喫できますよ。

お気に入りは『屋根猩猩』ですかね。
クラスでいじめに遭っていた女の子が
その土地の守り神のようなものに
指名されるという、
これまた不思議なお話です。

どの短編もなんですが、
強烈な印象が残らなくて
夢を見ていたような気分に
させられるんですよね。

おもしろかったです。