- 草祭/新潮社
幻想的:/5
怖い:/5
恒川光太郎さんの
「草祭」を読みました。
『けものはら』
中学3年生の初夏の夜、ぼくは友人の春が
行方不明になったと聞いた。ぼくは昔、春と一緒に
迷い込んだ”けものはら”のことを思い出していた。
『屋根猩猩』
幼かった私は空き地で知らない男の子と話していました。
深い意味もなく獅子舞になりたい、と言った私に
男の子は「予約を入れておいてあげる」と告げました。
『くさのゆめがたり』
遥か昔の話、私の関心ごとは人よりも植物だった。
毒や薬については叔父が教えてくれた。そして、
禁断の神薬クサナギについても。- 『天化の宿』
私はタッペイとコウヘイという不思議な双子に
「クトキの旅の人」と呼ばれて、家に案内された。
そこでは双子の両親も親切にしてくれたが。
『朝の朧町』
私は赤の他人である長船さんの家に4年も
居候していた。長船さんの故郷である美奥という
土地の不思議な話はいつも私を魅了した。
どの短編も美奥という町が舞台
もしくは関連のあるお話ばかりです。
この町では不思議なことが
ごく自然に起こるという設定に
なっているようです。
恒川作品独特の
不思議でちょっぴり怖いファンタジーが
満喫できますよ。
お気に入りは『屋根猩猩』ですかね。
クラスでいじめに遭っていた女の子が
その土地の守り神のようなものに
指名されるという、
これまた不思議なお話です。
どの短編もなんですが、
強烈な印象が残らなくて
夢を見ていたような気分に
させられるんですよね。
おもしろかったです。