「マンガの食卓」ポイントは”食” | 本の話がメインのつもり

本の話がメインのつもり

気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

マンガの食卓/エヌティティ出版

なるほど:GOODGOODGOODGOOD /5
おいしそう:♪♪♪ /5


南信長さんの
「マンガの食卓」を読みました。


マンガの食事シーンを
取り上げた1冊です。

様々な作品で「食事」が
どのように扱われているかという視点は
面白かったですね。

「美味しんぼ」「クッキングパパ」
「きのう何食べた?」「孤独のグルメ」などの
食をテーマにした作品から
「ワンピース」や「銀の匙」など
食を魅力的に描いた作品、
「3月のライオン」「最強伝説黒沢」など
物語の中で食べ物をポイントに使った作品まで
結構多くの作品と食べ物を考察されています。

考察――とはいえ、
かなりゆるっと親しみやすい文章なので
楽しく読めるんですけどね。

特に興味をひかれたのが
手塚治虫さんが食事シーンを
ほとんど描かなかったというお話。
そして対照的に多くの
食事シーンを描いたちばてつやさん。

フィクション性の高い
伝奇やSFを描く手塚氏と
生活に密着した身近なドラマを描くちば氏の
違いを”食事シーン”に見出したという
面白い話でした。

同じように食事シーンを
詳細に描かないマンガ家さんとしては
あだち充さんがあげれれていましたよ。

「あ、そういえば」って感じですね。

草食系な雰囲気のあだち作品と
食欲をはじめとした欲望をコミカルに描き出す
高橋留美子さんの作品との違いも
面白い話でしたよ。

マンガに限らず
小説、映画、ドラマなども
食の扱いをポイントに見てみると
面白いことに気づけそうですね。