- ついてくるもの (講談社ノベルス)/講談社
背後が気になる: /5
一気読み: /5
三津田信三さんの
「ついてくるもの」を読みました。
『夢の家』
寿司屋で居合わせた男性から不思議な話を聞いた。
毎晩見る夢で、以前付きまとっていた女性が
毎日少しずつ家の中へと導いていく内容らしい。
『ついてくるもの』
廃屋の庭で雛飾りを見つけた。どの人形も損傷が
激しかったが、唯一お姫さまだけ無事だった。
私は守るようにお姫さまを家に連れ帰ったが……。
『ルームシェアの怪』
会社の先輩の紹介でルームシェアをすることになった
真由美はあるメンバーに嫌われているような気がしていた。
部屋にいる気配はあるのに、誘っても返事がないのだ。
『祝儀絵』
叔母さんにもらった結婚式の様子を描いた絵が
おめでたい内容なのに、不気味だった。それを部屋に
かけた頃から、周りで奇妙な出来事が起こり始める。
『八幡藪知らず』
小学生の優介、相太郎、健一、靖彦、恵太は
探検ごっこにはまっていた。ある日、大人たちが
絶対に入るなという”むめ森”に興味を示す。
『裏の家の子供』
結婚を機に引っ越すことになった。ところが荷物を
運び入れたところで彼が出て行ってしまう。静かな場所だと
思っていたのに、裏の家の子供の騒音がひどかった。
『椅人の如き座るもの』
人間工房と呼ばれる町工場では人間の形をした家具などを
作っていた。取材に行った祖父江偲は工房で人が
消失したという騒ぎに巻き込まれる。
読書会で
教えてもらった作家さんです。
こちらの本はツイッターのお友達が
オススメしてくれました。
怖かったです。
どれが一番怖かったか
見返してみたんですが、
どれも怖くて甲乙つけがたいですね。
そこをあえて選ぶと「ルームシェアの怪」、
「八幡藪知らず」でしょうか。
どの短編でも意味不明のものに
追われる描写がたまらないです。
思わず背後を振り返ってしまうので
安全確認に時間がとられますよ。
最後の短編はちょっと毛色が違って
探偵小説テイストだったんでした。
まぁ、描写は怖いんですが、
”人間消失”の謎解きに注意が向いて
最後に怖さがクールダウンできる構成でしたね。
ビビりとしては助かりましたね。
三津田作品、面白いです。
もっと読んでいこうと思いました。