「新釈 にっぽん昔話」懐かしい昔話をもう一度 | 本の話がメインのつもり

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気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

新釈 にっぽん昔話/文藝春秋

懐かしい:42424242 /5
面白い:あったか気分あったか気分あったか気分 /5


乃南アサさんの
「新釈 にっぽん昔話」を読みました。


『さるとかに』
 近頃住み着いたさるどんは男っぷりがよく村の娘の間で
 評判だった。ところが容姿に恵まれていないかにどんと
 恋仲になったというから村のみんなは驚いた。

『花咲かじじい』
 スミヤのばばが川で洗濯をしていたところ小箱が流れて
 来た。箱に入っていたのは白い犬の子でじじとばばは
 シロと名づけ、我が子のように大事に大事に育てた。

『一寸法師』
 子のないばあは来る日も来る日も住吉大社詣でを
 続けた。そしてようやく子供を授かったが、その子は
 一寸ほどの小さな子供だった。

『三枚のお札』
 秋が来て、小僧は栗拾いに行きたくて仕方なかったが、
 和尚さまは鬼婆がいるからなかなか許してくれない。
 それでもねだる小僧に和尚さまは三枚の札を渡した。

『傘地蔵』
 信心深く正直者だが、たいそう貧しく暮らす爺さまと
 婆さまがあった。爺さまは正月の買い物のために
 反物を売りに行く途中で雪に埋もれた地蔵さまを見た。

『犬と猫とうろこ玉』
 あるところにそれは優しいじいさまがおった。子供に
 いじめられていた猫と犬を連れ帰ってかわいがり
 薪置き場にいた白蛇の子にまで飯をたっぷり食べさせた。



懐かしの昔話が
ちょっぴりアレンジされて
収録されています。

著者さんが震災の経験から
「何かできることを」と考え
執筆されたとのこと。

東北地方といえば、
昔話の宝庫らしいですしね。

昔話って結構うろ覚えで
有名なくだりは覚えていても
「最後はどうなったっけ?」というのも
多かったりします。

こちらの短編はアレンジが
入っているようなので
余計に自分の記憶に不安が……。

しかし、どのお話も
昔話特有の優しい語り口調で
癒される作品ばかりでした。

ハッピーエンドばかりなのも
明るくていいですね。

花咲かじじいのシロが
かわいかったです。
動物もしゃべるんですよ。