- K・Nの悲劇 (講談社文庫)/講談社
怖い: /5
ノンストップ: /5
高野和明さんの
「K.Nの悲劇」を読みました。
夏樹修平が出した本は
大ヒットとなった。
印税を頭金にマンションを購入し、
妻の果波(かなみ)との新しい日々が
始まるはずだった。
しかし、徐々に本の売れ行きが悪くなり
仕事も上手くいかなくなる。
妻の給料をあてにしてローンの返済は
ギリギリだったのだが、
そんな中、果波が妊娠してしまった。
高野作品3冊目です。
図書館にあってすぐに借りられそうだったので
読んでみました。
経済的に厳しいという理由で
堕胎することを決意する夫婦に
襲い掛かる原因不明の怪事件です。
妻の果波さんは
おっとり系の美人奥さん。
夫が経済的に厳しいという判断に
逆らえないのですが、
本当は子どもを産みたいと思っているらしい――
ところが伏線です。
中絶手術のための入院時に
突如意識を失い、別人格が現れるのです。
その別人格がまた怖い、怖い。
背後が気になるくらい怖い……。
患者に自殺未遂をされて
失意のどん底にいた精神科医の磯貝と
修平はその別人格のルーツを調べようとするのですが
次々と発覚する調査結果も怖い、怖い……。
精神病か、心霊現象か、
揺れ動く怪事件の真相が気になって
読み止らない1冊でした。
高野作品の引力はすごいですね。
もっと読んでみたいです。