「恋文の技術」手紙から浮きあがるストーリー | 本の話がメインのつもり

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気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

恋文の技術/森見 登美彦




手紙だけで:ぎゃーーぎゃーーぎゃーーぎゃーー /5


笑:プップップッ /5








森見登美彦さんの


「恋文の技術」を読みました。





以前、ジュードさんにお会いしたときに


タイトルを耳にし、


気になったので、読んでみました。








京都の大学から


能登にある実験所に行くことになってしまった


大学院生・守田一郎は、


孤独のあまり、文通を開始する。





京都にいる友人、先輩、妹、


家庭教師の教え子、知り合いの作家、


守田一郎は文通武者修行とし、


手紙を書きまくる。






この作品は手紙のみで


書かれているという


ちょっと変わった小説です。




しかし手紙だけなのに、


大学院生守田さんのさみしい生活が


ありありと思い浮かぶのです。




それどころか、


京都にいる友人の行動、事件、


人間関係まで


頭の中で物語として齟齬なく進みます。




おかしな表現ですが、


3D映像みたいな感動。




手紙なのにストーリーが


浮き上がってくるのですよ。


不思議ー。




お話は森見氏お得意の


笑い満載の学生ものです。




相変わらず古風なんだかよくわからない


小難しい表現が冴え渡っていて、


笑いが止まりません。




クセになりますね。






手紙が書きたくなりました。


しかもこのお話に出てくるような


長くてウザい手紙が……。




中学生の頃、よく授業中に


書いてました、長くてウザい手紙。




で、友達も長くてウザい手紙を書いてくるので


交換して、また長くてウザい返事を書くのです。




楽しかったなぁ。