「スノウ・グッピー」国防を憂う | 本の話がメインのつもり

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気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。


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ワクワク:ワクワクワクワクワクワクワクワク /5

日本が心配:☆☆☆ /5



五條瑛さんの「スノウ・グッピー」を読みました。



三津谷雪人は京都で行われた会社の先輩の

結婚式に出席していた。休暇を満喫しようと

しているところに上司である佃田から”Sコール”が

かかったことを告げられる。


急遽石川へ向かった三津谷は

懇意にしている軍の宇佐見ニ佐から

母機の墜落によりグッピーを一匹失ったと知らされる。


グッピーは会社と軍で運用実験を繰り返し、

育て上げた期待の軍用機器である。


各国が日本海に沈んだグッピーの回収を狙い

情報戦を繰り広げる中、

三津屋の同僚山田は失踪し、奇妙な行動を起こす。


スパイや金銭目的のチンピラが周囲を取り巻き、

グッピーをめぐる騒動が始まった。



読むのに時間がかかっていましたが、

難航したわけではありません。

時間がとれなかっただけで、

作品はとても面白かったです。


休日に一気に読めばよかった、と少し後悔です。


タイトルは何となくロマンティックですが、

内容はやはり五條さんの作品。

スパイや自衛隊、チンピラが大暴れ、

夢を語ってみたり、矜持を貫いてみたりの

大変な男祭りです。


しかしテーマは男くさいですが、

これは女性にもかなりウケると思います。


男同士の友情や信頼関係、

気安い掛け合いなど、女の子が憧れちゃう要素も

満載ですね。


失踪してしまった山田をめぐって、

三津谷たち、スパイたちの動向が物語を進めていくのですが、

途中少し間延びした感じがありました。


ラストももうちょっとビックリするような

結末が欲しかったかも。

総合的に面白かっただけに

思わずワガママを言ってしまいますね。


五條さんの作品を読むと、日本が心配になります。

作品の中で日本の情報が各国にパーパーであることが

毎度示唆されてますよね。

ストーリーは違っても、五條さんの主張したいことは

一本筋が通ってるような感じがします。


まだ「鉱物シリーズ」関係を全部読んでなかったので、

そちらも読みたいところですね。