「アイスクリン強し」かわいい…… | 本の話がメインのつもり

本の話がメインのつもり

気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

アイスクリン強し/畠中 恵

ほのぼの:あったか気分あったか気分あったか気分あったか気分 /5

お菓子:食食食 /5



畠中恵さんの「アイスクリン強し」を読みました。



『チヨコレイト甘し』

 西洋菓子屋「風琴屋」の店主兼菓子職人である真次郎は

 菓子の配達の途中で見かけた相馬小弥太が追われていたところを

 助けた。しかしそれはとんだ厄介ごとの始まりであった。


『シユウクリーム危うし』

 若様組の巡査・長瀬と園山に連れられて貧しい人々が暮らす

 貧民窟万年町へ向った真次郎。そこで人探しをすることになっていたのだが、

 いきなり子どもに荷物を盗られそうになってしまう。


『アイスクリン強し』

 真次郎は幼馴染の女学生・沙羅に箒で殴られてしまう。なぜかと

 問質すと真次郎が菓子教室を開いた際に女学生の

 手を握ったという記事が多報新聞に掲載されていたというのだ。


『ゼリーケーキ儚し』

 小泉商会の社主・琢磨は娘の沙羅の見合い話を進めようとしていた。

 相手は家柄もよく、学歴も高い。ところが沙羅は最近真次郎や若様組の

 巡査達と連絡が取れない事が気になって、それどころではなかった。


『ワッフルス熱し』
 随分前に若様組の巡査たちや真次郎に宛てて送られてきた謎の手紙には

 謎を解いたものに褒賞をもたらす、と書いてある。極度の金欠にあえぐ

 巡査達は各々手紙の謎を解こうとするが……



非常に軽くさっぱりした明治のお話でした。


主人公の皆川真次郎は外国人の住まう居留地育ちで

直接西洋菓子や料理の作り方、作法、言語などを学ぶことが

できた職人です。


そんな彼の周りに集まってくるのは甘いものに目がない

幼馴染の女学生沙羅、もとは旗本の若様という

巡査の長瀬たちです。


そんな彼らがドタバタやりながら日常の騒動を解決していくという

連作短編でした。


軽くて読みやすいのはいい点かもしれませんが、

逆にいうと深みというか重みがないので

記憶に残りにくい印象はあります。


この暑い中、これくらいがちょうどいいという見方もありますが。

ぼーっと4行ほど上滑りしても全然、大丈夫(←問題発言?)


そして登場人物たちもみんな妙に可愛らしいです。

極悪人というのがいない。

心臓に悪くないお話です。


表紙のかわいいイラストから受けるイメージどおりの

話でした。


続きが出たら是非読みたい。