「工学部・水柿助教授の日常」ほのぼのミステリ(?) | 本の話がメインのつもり

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気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。


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笑:好好好 /5

読者泣かせ:うーんうーんうーん /5

ゆるい:あったか気分あったか気分あったか気分あったか気分 /5


ししまるさんに頂いたコメント中にタイトルが

挙げられていたので気になり、

森博嗣さんの「工学部・水柿助教授の日常」を

読みました。



某国立大学の助教授、水柿君は建築学科所属の

33歳。

趣味はラジコンや鉄道、模型工作でのんた君という

熊のぬいぐるみを大切にしている。


奥さんの須磨子さんはミステリファンで

毎日ミステリの本を読んでいて、

夜は決まった時間に就寝する。


ミステリ好きの須磨子さんのために

身近で起こったミステリっぽい話を聞かせる

水柿君だが反応はイマイチ……。

そんな彼の日常。



これはなかなか画期的というか、

斬新というか……

かなり独特な雰囲気ですが、

けっこう笑えます。


爆笑ではなく「フフッ」と小さく笑える感じです。

こんなタイプの小説(?)読んだことがないですね。


神の声(きっと森博嗣さん)が水柿君の日常の

様子を雑談交じりに描写します。

いえ、ほとんど雑談でした。


そしてかなりゆるい雰囲気です。

特に水柿君と須磨子さんが何だかんだと仲よし

なのが微笑ましい。


「ミステリ」をテーマに水柿君の

まわりの不思議な出来事とその種明かしが

各所にみられるのですが、

その肝心の「不思議な出来事」自体を忘れてしまうくらいに

話題がそれます。

それはもう連想ゲームのようです。


話についていくのがちょっと大変。

読者泣かせですね。

1ページとして落ち着いていませんから。


エッセイの雰囲気もあって、

大学の助教授のお仕事をリアルに

綴ってあって大学生時代を懐かしく思い出しました。


何度となく作品内で「ミステリをやる」と、言いながら

のらりくらりとかわされている。

後に水柿君がミステリ作家になると書かれていたので、

次回はミステリを期待します。


と、言いつつあの雑談が

かなりクセになるんですが……