トリック: /5
マニアック: /5
森博嗣さんの「すべてがFになる」を再読しました。
西之園萌絵はディスプレイを通して、
天才工学博士・真賀田四季と面会を果たした。
才気溢れる博士に萌絵は会話の主導権をすっかり
奪われてしまう。
真賀田博士は14歳で両親を殺害した。
錯乱状態での犯行で無罪判決を受けたものの
以来誰とも直接は面会せず15年のときを
孤島の研究設備の1室で過ごしていた。
犀川助教授は西之園萌絵の発案で
ゼミ旅行の行き先を真賀田博士のいる
孤島に決定する。
ところが島に着いた初日の夜
犀川と西之園は研究室を訪問し大変なトラブルに
巻き込まれてしまう。
びっくりしました、再読です。
どっかで頭打ったかもしれない。
散々「読んだ事ない」って公言して恥ずかしい。
たぶんこのシリーズの次の本まで読んでます。
でもかなり昔だったので新たな気分で
再読出来ました。
忘れっぽいと何度でも楽しめてお得ですね。
かなりマニアックでした。
森さんガンダムとタバコが大好きですね。
そしてトリックもマニアック。
探偵役はお嬢様育ちで少し感覚が一般的じゃない
西之園萌絵と工学部助教授の犀川先生です。
「工学部」ということでトリックから舞台まで
それ関係です。
プログラムの話なんて
あんまり馴染みがなので「なるほど、そういうものか」と
そのまま飲み込むように読みました。
それでもちゃんと分かるようになってるのは
森さんのすごいところなのかな。
あのややっこしい雰囲気のカッコよさを楽しみつつも
トリックにビックリできる。
後半は二転三転して踊らされますが、
いい具合に後引くラストです。
萌絵お嬢さんの性格、なかなか笑えますね。
前読んだときはあんまりこの子好きじゃないと思ってた
ような記憶があるのですが、
この歳になると「かわいいじゃないの」と思えるから不思議。
やきそば食べたことなかったり、
キャンプに日傘持ってくるところが
ズレてるんですが、探偵してるときは一生懸命。
そして大好きな犀川先生に女が近付くと
ご機嫌ナナメになちゃったりしてかわいいですね。
この勢いに乗ってシリーズ読破を目指します。
きっと私このシリーズは以前読んだときは嫌いだったと
思われます。
なんとかく森博嗣さんの本に苦手意識を持っていた
理由がここにあったような気がして来た。
トラウマとかもその原因になった事件、事故が
分かるとよくなるっていいますけど、
本当にもうよくなった気がします。