好き: /5
そこはかとなく漂う無常感: /5
戦闘シーンがたまらん: /5
遅ればせながら森博嗣さんの「スカイ・クロラ」を
読みました。
新しく基地に草薙水素(クサナギスイト)の
部下として配備されたカンナミユーヒチは初日から
淡々と戦闘機に乗り、その右手で敵を打ち落とす。
自分の前に配備されていたパイロットのクリタジンロウの
行方を不思議に思うが誰も答えてはくれない。
迷いました。
時系列では一番最初と言われている
「ナ・バ・テア」から読むべきか……
自分の記憶力を信じてここは「スカイ・クロラ」で突撃です。
逆年代記モノがけっこう好きなので出来ればここから
始めたかった。
最後まで憶えていられればいいのですが。
それにしてもキレイで淡々としていて好きな雰囲気でした。
戦争の話なのに何だか「静か」という言葉が似合います。
語り手であるカンナミユーヒチである「僕」がとんでもなく
「静か」なんですよね。
あまり感情を出さない、空を飛ぶこと以外に執着をしない、
死ぬことを全く恐れていない。
むしろ死にたいと感じているようにみえる。
「静か」なんですが、空での戦闘シーンがカッコイイ。
語り手のカンナミが腕のいいパイロットなので読んでいて
気持ちいいです。
ただ戦闘というからには撃墜した相手が死にます。
それに対するカンナミの諦観した感情が
若干の切なさを誘います。
過去に何があったんだ、と(0_0)
度々出てくる「キルドレ」という言葉の意味、カンナミの
前に配備されていたクリタの行方、など気になる謎も多くて
早く読みすすめることができました。
これから彼らの過去が分かってくると思うと
続きがとても気になります。
悲しいお話が展開されそうでちょっと怖いですが(^^;)