「ガール」OLって大変 | 本の話がメインのつもり

本の話がメインのつもり

気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

ガール/奥田 英朗

30代のOLが主役の5編の短編集

奥田英郎さんの「ガール」を読みました。



『ヒロくん』

 武田聖子は35歳にして課長に抜擢される。

 女性の上司とはどう振舞うべきか、試行錯誤しながら

 も懸命に仕事に取り組むが、年上で

 仕事の出来る係長・今井との関係が危なくなり……


『マンション』

 親友のめぐみがマンションを買ったと聞いてショックを

 受けるゆかり。

 秘書課の”女のコ達”と攻防を繰り広げながら

 ゆかりもマンションの購入を考えはじめる。


『ガール』

 32歳の由紀子はいまだ20代の頃と変わらずオシャレや

 夜遊びに余念がない。

 友人の千恵の「潮時」という言葉にふと立ち止まる。


『ワーキング・マザー』

 36歳のシングルマザー平井孝子は小学生の息子を育てながら

 バリバリ働いていた。

 ホームヘルパーさんや学童クラブなどを利用しているが

 どうしても職場の同僚に気を使わせてしまう。


『ひと回り』

 容子は入社13年目で35歳、今年は新人の教育指導を

 まかされることになった。

 そしてやってきた新人はひと回り歳が若い22歳のイケメン・和田君。

 思わず胸が躍る容子だったが、和田は他のOL達の

 感心も一身に浴びて誰もが彼に近付こうとしていた。


これは女性が書いたんですか?

というくらいに女性の心境がうまいです。


おもしろくてさらさらと読めました。

私はOL初心者なので「そういうのある!」と共感できる部分は

あまりなかったのですが、十分楽しめました。


表題作の『ガール』がお気に入りです。


私もよくファッションで迷います。

同年代の友達と会うとよく

「この歳でレギンスってあり?」

「チェックのワンピってどうよ?」

「ブーツにフリンジってヤバいかな?」

と、歳相応のファッションについての相談に余念がないです(^^;)


『ガール』の作中の女の子たちは気にしません。

好きなものを着て楽しんでます。

特に38歳のお光さんと呼ばれている女性はスゴいです。


若者集団にもガンガン入っていっておしゃべりするし、

キャスケットとか豹柄とかミニスカートとか何でも気に入ったものを

着ます。おかげで陰口もたたかれますが、

ここまで開き直れたら人生楽しいだろうな。

羨ましいような、こうはなりたくないような……複雑。


前回読んだサラリーマンの短編集「マドンナ」 よりも

こっちの方が好きかも。