「噂」これが"噂"の最後の一行…… | 本の話がメインのつもり

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気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

噂 (新潮文庫)/荻原 浩

coco--yumyumさん、優来さんのブログで同時に紹介されていました。

荻原浩さんの「噂」を読みました。



「もしレインマンに出会ったら、たいへんなんだ。

男を殴りたおして女のコだけさらってくんだ。

でね、女のコは足を切られちゃうんだよ。

両足とも。足首から先ぜんぶ」


女子中高生の間で急に広まり始めた”噂”そしてとうとう”噂”の

の通りに両足首から先のない少女の他殺体が発見される。


所轄刑事の小暮は妻に先立たれ娘の菜摘と二人暮らしだった。

仕事がひと段落ついたところで足首から先のない若い女性の

変死体が発見されてしまう。

若くして本庁の女性警部補・名島とコンビを組み被害者の

交友関係を捜査しているところ、共通の”噂”を耳にする。



よかったです。

”噂”の最後の一行が気になって気になって仕方がなかった(笑)

確かにコレは途中の内容を把握していないと「怖い」と思えない最後です。

しかも結構何気ない感じで出てきたエピソードをふまえていたりする(^^;)

でもそのオチはオマケみたいなもので正々堂々内容で楽しませてくれました。

荻原浩さんってこんな話も書くんだ(0_0)


都市伝説が殺人事件のキーポイントになっているという趣向も

面白いです。

あらすじで書き忘れましたが、作中のレインマンの噂では

ミリエルのローズの香水をつけていれば

レインマンに殺されないという続きがあります。

もちろんその香水はバカ売れです。


こうやって噂を使って物を売れるようにしたり、逆にライバル会社のものを

売れないようにしたりすることができる、という口コミ戦略が

作中の事件に関係していたりします。


もし本当にこうやって操作できるんなら口コミもあてにならないな、と

思うんですが、やっぱりのってしまう(笑)

でも確かに口コミで「いい」と言われている商品の中には

「何でそんなに人気なんだろう」と思うものも結構ある。


私がそう思うのは化粧品が圧倒的に多いです。

肌の質も違えば好みも違うので噂どおりによくなくても

「私には合わなかった」で終わりだし。

口コミ見て買っちゃったけどあまり使ってない化粧品が

ケースの底でたくさん眠ってます(^^;)


本の内容とズレましたが、

そういう口コミの恐ろしさを感じる本でもありました(0_0)


そして好みわかれそうですが、名島警部補が結構好きです。

「こういう女嫌い」という人も多そうな性格ですが、

自分の弱点を見栄を張らずに出せるのって私には羨ましいな、

と思います。

女だとバカにされたくない!という気負いもなく、むしろ

だからこそ出来る仕事を誇りに思っているような。

そしてちょっと”天然”っぽいところとか。

いいな、と思いました。


巻末の解説の方もおっしゃってますが、

そういう人物描写も見所だと思います。


coco--yumyumさんと優来さんの口コミで読んだこの本、

面白かったです。

「おもしろかったよ!」と噂を流しておきます(笑)