「風に舞いあがるビニールシート」短編とは思えない | 本の話がメインのつもり

本の話がメインのつもり

気まぐれに選んだ本を読みながら、何となく見つけたジャンクな菓子ばかり食べます。

風に舞いあがるビニールシート/森 絵都

かおりさんのブログで紹介されていた

「風に舞いあがるビニールシート」

を読みました。


一度、森絵都さんの本を読んでみたかった

のでちょうどいいものが見つかって

よかったです(^^)


これは6編の短編が収められています。


「器を探して」

ヒロミのお菓子作りの才能に魅了された

秘書の弥生は彼女の無理難題に

なんだって従って来た。

桃の節句に合う美濃焼きの器を

クリスマスイブに買い付けに

行くよう指示され、恋人とヒロミの

指示を天秤にかけることとなる。


「犬の散歩」

殺処分を待つのみの犬達の里親

を探すボランティアをする主婦の恵利子。

腎臓が悪くて決して見た目も

よくない犬のビビに里親を

見つけて上げることができるのか。


他、以下4編です

「守護神」

「鐘の音」

「ジェネレーションX」
「風に舞いあがるビニールシート」


すごく丁寧に書かれているという印象を

受けました。

例えば、すべての短編の主人公の

立場、性別、性格、専門も

みんな違っていてるのに

どれも感情移入できるくらい

細かい設定がされていて、

とても短編を読んだという気が

しないくらいの内容があります。


著者の経験なのか

完璧に調べてあるのか、

有名パティシエの会社の雰囲気や

ボランティア団体の活動、

大学の2部の学生の生活や、

国際公務員の葛藤、

仏像修理の職人に至るまで

とてもリアルに描かれています。


すごい、の一言でした。

他の作品も読んでみたいです。


かおりさん、

いいものをご紹介いただきありがとう

ございました(^^)