「ハイドラ」という本を読みました。
若くして芥川賞を受賞した、金原ひとみさんの
本です。
読者モデル出身の主人公はあるカメラマンに気に入られ
専属のモデルとなるとなり彼と同棲する。
彼に捨てられないようにと噛み吐きを繰り返し
体重を維持し、病的な状態の彼女に
まるで正反対の底抜けに明るいバンドマンの青年に出会い
惹かれていく、
そんなお話。
とにかく摂食障害の描写がグロテスクでした。
大量の食べ物を買い込んできては
ただ噛んで吐き出しゴミとして捨てる。
胃に何か入っている状態を異物感というのが
すごい表現だ。
なんだか全体的に鬱々とした空気が漂っていました。
最後も結局は逃げ出せない、
という感じがしてあまりハッピーではないです。
読後暗い気分でした。
タイトルのハイドラって神話の怪物のことなのかな、
と思ったのですが、
物語の中でどこにも関係するようなものが
なかったのでちょっと気になり調べてみました。
どうやらギリシャ語で「水蛇」という意味もあるようです。
それなら納得。
物語の最後の方に「水蛇」というタイトルの小説を
主人公が読むというエピソードに沿っているのでしょうかね。