「制度はある。しかし、うまく回っていない。」
多くの人事部長が、こうした違和感を抱えています。評価シートは整備され、面談も実施している。それでも、社員の納得感が低い、成長実感がない、離職が減らない――。このとき、評価制度は“存在している”だけで、“機能していない”状態にあります。
私が制度再構築の相談を受ける際、最初に伺うのは「評価の結果を経営陣が自信を持って説明できますか」という問いです。
多くの企業では、制度は人事部の管理業務になっており、経営戦略や組織文化との接続が弱くなっています。制度が目的化し、「評価すること」がゴールになっているのです。
例えば、ある製造業の企業では、評価制度を導入して5年が経過していました。しかし、管理職の評価結果を並べると、毎年ほぼ同じ分布。昇格者も固定的でした。面談は行われているものの、「去年と同じ話」を繰り返しているだけ。これは制度が“維持”されているだけで、“進化”していない典型例です。
評価制度が機能していないサインは、現場の空気に現れます。
・評価の話題がネガティブになる
・面談が事務的になる
・評価と成長が結びつかない
もし一つでも当てはまるなら、制度の設計思想を見直す時期かもしれません。
