国家の安全保障という大きなテーマが議論されている国会の中で、皆さんはこんな法律が議論されていたことをご存知でしょうか。
この「モータースポーツ推進法案」で、公道でレーシングカーが爆走する姿を見れるようになる…。

いや、もうある場所ではそれが可能なのです。

それが、先月開催された「浅間ヒルクライム」。年々規模が大きくなっているというこのイベントの噂を聞き、今年初観戦に出かけてきました。その舞台となる「チェリーパークライン」という道は、その名に似合わず玄人向けの道で…

駐車場に向かうまでに観戦者も自分のクルマでそこを駆け抜けることになるのですが、観戦者同士もお互いにペースが上がってプチレース状態。駐車場につくまでに、参加者の気分が盛り上がります。

ところが初日の5/29(土)に参加した2人は、この後思いもよらないハプニングに遭遇するのです。そして、そのハプニングが同時に奇跡を起こすことになろうとは。

これは浅間ヒルクライムの主催者の方にもお伝えしなければならない。

「チェリーパークラインの裏側にも、ドライビングヘブンが存在する」と。

その奇跡の数々は、1人の遅刻から始まりました。朝8時頃から駐車場前で渋滞を起こしていた状況の中で、彼がチェリーパークラインに現れたのは9時頃。午前のレース会場へ向かうシャトルバスは既に出発してしまい、仕方なく2人で展示車を眺めることに。

ただ、その展示車がこんな片田舎に似合わないクルマたちばかり!


早めに昼飯を済ませ、午後の部へ参加しようとすると会場から不穏な空気が。当日昼頃から開催予定だったコルベット Z06のジャパンプレミアが一向に始まらない。そして、どこからともなく聞こえるヒソヒソ話。後になって判明するのですが、午前の部でサイドカーが単独事故を起こし、午後の部が中止になってしまったのです。

仕方がないと諦めて帰ろうとするとまた災難が。警察の現場検証の影響か、コースとなっていたチェリーパークラインが通行止め。そこで、反対側の道に進んでみたのですが…

これがなんと全長6.9kmにも及ぶダートコース!

そこへ挑む2人の愛車は、BP型レガシィの3.0LとW210のE430という時代と年齢を無視したクルマたち。レガシィにとっては性能を試すチャンスではあったものの、当の本人は手に入れたばかりの愛車への跳ね石が気になってスローダウン。ましてローダウンサスのE430ともなると、V8エンジンのパワーも脚回りも役立たずというより厄介者。最初はあっという間に終わるだろうと腹をくくっていたのですが、10分走っても終わりが見えず。今更引き返すこともできず、渋々進みます。

途中こんな絶景にも遭遇するのですが

道はだらだらと続き

やっとダートを抜け終わったと思ったら、2台は見事に砂まみれ。


そして、2人は新たな課題に挑みます。というのも軽井沢周辺の道路は有料道路が多く、抜け道を慎重に選ばないと軽井沢の市街地に出られないのです。とりあえず軽井沢のアウトレットを目的地として走り続けると…

こんなワインディングに出くわしたのです。

そこは、日本百名道の1つという嬬恋パノラマライン。浅間山の壮大な景色と眼下に広がるキャベツ畑。その間を絶妙にカーブしながら進む道。自ずと2台のペースが上がります。

当日のアクシデントのおかげで発見することができたドライビングヘブン。これは是非とも来年度の浅間ヒルクライムのダートコースとして設定していただきたい!そして、次回はもう1人も加えて、フルメンバーで挑みたいと思ったのでした。