映画『県庁の星』を彷彿させる亡国の宮仕え | あぐりートのブログ

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時事的話題に映画をからめて綴ります。

 当ブログは危機管理を主軸に持論を述べさせてもらっていますが、あの前東京都知事 舛添要一氏もさすがと言うべきか、危機管理の核心的心構えの一つ「プランC」を持つ重要性を知事時代に説いていました。

 
 メインプランが実行不可になった場合に備え代替案をBのみならずC案まで策定する精神は事業計画のみならず、あらゆる行動を成功に導く確率を高くする。特に生命が関わる危機管理には想定外を減らす意味においてもプランCを用意する意義はあるかと考えられます。
 
 しかしこれを提唱した舛添氏は自らに降りかかったスキャンダルを払拭できませんでした。
その最大の要因は自らの能力の過信と、そこから来る都民、国民を見下す傲慢さが「プランCは自分には必要ない」とする慢心に陥ったからかも知れません。
 
 先頃女性記者へのセクハラ発言で辞任した福田財務省事務次官のケースは単にトップエリートの女性蔑視以上に危機管理上、深刻な問題を内包しているように思えます。
それは国政に携わる官僚が記者がボイスレコーダーを携帯し、録音している事態を想定していない事実は、(今回は衆目に晒されたが)、ボイスレコーダー、あるいは隠し撮りされた映像、画像をもって強請された官僚が情報漏洩したケースがこれまでも多分にあったと推定される事です。
盗聴、盗撮、ハッキング、尾行は映画、ドラマだけの話と福田氏は考えていたのでしょうか。
 
 さて、愛媛県の刑務所作業場から脱走していた平尾受刑者が4月末に22日ぶりに逮捕されましたが、平尾は向島では空き民家の屋根裏に隠れていて、この空き家にも警察は捜索に立ち寄っていたにも拘わらず発見できてなかったのには無能と言うより怠慢さに呆れてしまいます。
 
 テレビニュースでは警察が空き家を覗き込む捜索映像が流れていましたが、空き家の中に入って当然床下や屋根裏まで調べているだろうと国民の多くは思ったはずですが、してなかった。
 
 また結果論になりますが、せめて電力メーターをチェックするのは刑事ドラマでもあるくらいなのにそこに注意してなかったのは手抜きと言われても仕方ないのではありませんか。
 
世間が仕事内容から見た公務員給料の高さを非難すると彼らは決まって「我々は難関の試験をパスしたのだから高給料を受けとる資格があるのだ」と詭弁を使い、はばかることなく財政難をてまねいているばかりか、妻名義などで不動産などの副業まで手掛けているから始末に困る。
 
 
2006年公開の『県庁の星』は優秀な公務員が何故使えないか考えさせてくれるよくできた作品でした。
危機管理も含め仕事の成功の秘訣は『プランC』を持つ事がその一つで、そもそもプランCを生む精神とは謙虚さであると皮肉にも舛添氏は身をもって教えてくれています。