究極のガラスアートの世界『とんぼ玉硝子芸術展覧会 〜境界〜』 | 八丈島観光協会blog

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「とんぼ玉」の日本のトップアーティストたちの作品を展示した、ちょっと珍しい展覧会が7月の八丈島で開催されました。驚くほど精巧で美しい作品の数々と共に、展覧会の時の模様をご紹介します。




7月1日(金)~7月5日(火)に『とんぼ玉硝子芸術展覧会〜境界〜』が八丈町多目的ホール「おじゃれ」と「プチホテル満天望」の2カ所で開催されました。

とんぼ玉アートのトップ作家で知られる、礒野昭子さん、内田敏樹さん、増永元さん。この独創的な3人の作品約150点が一同に展示される希有なイベントとあって、島外から約300人近いファンが八丈島へ来島し、島の方も含めて大勢の方々が会場に足を運ばれました。



こちらが満天望会場の入口。
3人の作家の代表作でデザインされたポスターがお出迎え。



会場の入り口付近、展示部屋の前にはとんぼ玉が案内役として3つ並んでいました。


作品は全て触ってもOK。指でくるくると回転させることが出来、作品を360°の全角度からじっくりご覧になることができます。

作品の横にあるパネルにはバーコードが表示されており、スマホやタブレット等のバーコードリーダーでスキャンすると、作品の詳細がわかる仕組みになっていました。



満天望会場の展示の模様。


来場されたお客様は興味津々にご覧になられていました。

 

どれもこれも緻密で美しい作品の数々。ガラスに閉じ込めれた生命体はどれも瑞々しさに溢れ、その一瞬をガラスで絡め取ったかのような珠玉の作品が並びます。

会場内では、どこからともなく聞こえるカエルの鳴き声。まるで田園のある田舎にいるような錯覚を覚え、自然や植物、生物と生命を封じ込めたトンボ玉を見つめていると、自然と作家の世界感に浸れます。



会場にはミュージアムショップも併設され、とんぼ玉以外のガラスアートやグッズも販売されていました。




ファン心理をくすぐるようなイベントオリジナルのTシャツやてぬぐい、他にも愛らしいガラスアートが並び、遊び心満載で目にも楽しいショップです。

他の作家さんが作られた作品も数多く展示され、小さなガラスアートの世界にただただ驚嘆するばかり。



面白いグッズをみつけました。
就職希望と書かれたかわいらしいキャラクター、「しいまばんだまくん」。
このイベントの案内人として1号から101号まで種類があり、それぞれ微妙に形や色が違います。最終日にほとんどの子が就職にありつけたようです。






もう一つの会場となりました、多目的ホール「おじゃれ」では、「文明の催し」というタイトルで展示会が開催されました。



光の道に圧倒されるような、効果的なライティングが印象の「おじゃれホール」。


会場に一歩足を踏み入れると、真っ暗な空間の中に等間隔で配列された照明と作品の数々。来場された方がじっくりと見ることができるように配慮されています。



自然の中をイメージした満天望での展示と対照的に、こちらは無機的なイメージで、どこか人工的で未来的な展示になっています。



ここにも生命に溢れたガラスの世界が訪れる方の目を楽しませていました。



会場のスクリーンには作家による制作工程が動画で紹介されていました。
緻密で精巧な作品は一体どのように作られるのか、興味津々で作業風景をみなさん食い入るようにご覧になっていました。





右から礒野昭子さん、内田敏樹さん、増永 元さん。

展示作品150個のとんぼ玉は彼らが全て手で運んできたというから驚き!
今回の展示会を開催するにあたり、ぎりぎりまで製作に携わり、極限に挑んだ珠玉の作品群は、見る人を圧倒しました。

主催であるグラスタウン代表の関さんもぜひと一緒に撮影させていただこうと思ったのですが、町長という立場で裏方に徹したいということで辞退。
代わりにおじゃれホールにあった挨拶文を転記させていただきました。関さんの人柄とこのイベントへの想いが伝わってくる内容です。



〜ごあいさつ〜

わざわざおじゃれ、文明と自然の境界に・・・
とんぼ玉硝子芸術展覧会「境界」を開催いたします。

いつの時代にも、どのような分野にも、その道を切り開いてきた先駆者がいます。

とんぼ玉というガラス細工の分野で、手習い事やアクセサリーといて流通していた物を、独自の感性と想像力で芸術作品まで高めた人たちがいます。

今回ご紹介させていただく、礒野昭子さん・内田敏樹さん・増永 元さんが作り出す作品は、まぎれもなくその域に達した作品です。

しかし、作家だけでは芸術は語れません。

物事の良し悪しをご自身の感性で見極めることのできる方々、この場にお越しいただいた方もその一枠を担っていると思うのです。

私自身、この面白い時代に出くわし、皆さまと同じ場所に同席できることを、幸運に思っています。

展覧会の開催にあたり、ご来場いただきました皆さま、展覧会開催にご尽力いただいた皆さまに、そして3名の天才作家に心より謝意を述べさせていただきます。

きてくれて、ありがとう。

2016年7月 梅雨の八丈島にて
   主催者 グラスタウン 代表 関 一



関さんと八丈島の出会いは約6年前、光るキノコに興味を持ち、島を訪れたことから始まりました。その際、島特有の気候が生み出す独特の環境や自然に魅了され、以来作家の礒野さんと度々来島するようになったそうです。

八丈島という狭い空間にぎっしりと植物や生命体が詰まっているイメージは、まさにとんぼ玉そのものです。

作家の視点から見れば、自然と文明の境界である八丈島はきっと凝縮された自然の宝庫なのかもしれませんね。新たな島の魅力に気づかされました。

関さん、礒野昭子さん、内田敏樹さん、増永 元さん、そして関わられた作家やスタッフの皆様、素晴らしいガラスアートの世界を有り難うございました。

そしてまたこのような展示会がふたたび八丈島で開催されることを心よりお待ちしております。