2026年2月。 中学受験界における「新5年生」のスタートラインですね。 世のご家庭が「塾の宿題をどう回すか」「演習量をどう確保するか」で頭を悩ませる時期かと思います。
そんなある夜、我が家のCEO(妻)は、積み上がった「大手進学塾のテキストと宿題」を前に、静かに言い放ちました。
「塾の宿題、もうやるのをやめましょう」
私は耳を疑いました。 私は構造主義の人間(パパ)です。「量は質を凌駕する」「カリキュラムには従うべきだ」という旧来のドクトリンを信じていた私は、慌てて止めようとしました。
「待ってくれ。偏差値が下がっている今だからこそ、宿題をこなして基礎を固めるべきじゃないか?」
妻は首を横に振り、スマホの画面を私に見せました。 そこには、Geminiが弾き出した「ある分析データ」が映し出されていたのです。
「違うの。これは『怠慢』じゃない。『システムエラー』なの。今のやり方で無理やり動かせば、あの子の脳が壊れるわ」
その夜、私たちは宿題の山を「封印」しました。 事実上の、カリキュラムからの離脱宣言です。
フェラーリのエンジンに、農道のタイヤ
初めまして。 首都圏で「凸凹(デコボコ)」な特性を持つ息子と暮らす、理系パパです。
なぜ、私たちは宿題を捨てたのでしょうか? その答えは、息子の直近の成績と、脳内スペック(WISC-V検査結果)にあります。
まず、現実を見てみましょう。 直近の模試の偏差値は、「42.5」。 ボリュームゾーンの下層を低空飛行しています。
ですが、彼の脳内スペック(WISC-V)はこうなっています。
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言語理解(VCI):123(非常に高い)
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流動性推理(FRI):116(高い)
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ワーキングメモリ(WMI):97(平均)
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処理速度(PSI):106(平均)
一見、悪くない数字に見えるかもしれません。 しかし、ここに「偏差値42.5」の原因があり、息子が毎日癇癪を起こしていた「バグの正体」があるのです。
思考力(VCI)と、それを一時保存・出力する能力(WMI/PSI)の間に、決定的なギャップがあります。
例えるなら、「フェラーリのエンジン(思考)を積んでいるのに、タイヤは農道仕様(書く速度)、道路は未舗装(記憶の保持)」という状態です。
彼がアクセルを踏めば踏むほど(=真面目に宿題を書こうとすればするほど)、タイヤは空転し、メモリはオーバーフローを起こします。 その結果が、「ケアレスミス」「字が汚い」「時間切れ」というエラー出力なのです。
エラーを吐いているシステムに、「気合で書け!」「宿題を終わらせろ!」と命令するのは、エンジニアとして三流のやることです。 妻は正しかった。
ボトルネック(書くこと)を強制する「普通の塾のやり方」は、彼には逆効果でしかなかったのです。
戦略:努力不足ではなく「仕様」と定義する
だから、我が家は決めました。 「書く・覚える・反復する」という、いわゆる「普通の中学受験」を捨てます。
その代わりに、以下の戦略(ハック)を採用することにしました。
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AI(Gemini)を参謀にする:親が教えるのではなく、AIに「息子の脳に合った解説」を作らせる。
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ホワイトボード思考:ノート(狭い・消せない)を廃止し、思考を外部メモリ化する。
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動画と図解:文字を読ませず、映像でインストールする。
これは、名付けて「脳内車線増幅工事」という一大プロジェクトです。
チーム紹介:このブログの登場人物
このブログは、以下のチームメンバーによる「実験ログ」となります。
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総司令官(息子): 新小5。知識欲の塊ですが、単純作業でフリーズする凸凹(2E)傾向児。
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CEO(妻): 感覚と戦略の立案者。AIへの指示出し(プロンプトエンジニアリング)担当。
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COO(私): 構造と記録の管理者。ロジカルな分析と、資金・リスク管理担当。
結び:実験ログの開始
これから毎週、我が家が実践する「AI × 凸凹児」の中学受験ログを公開していきます。
「うちの子、頭はいいはずなのに点数が取れない」 「『字が汚い』と学校で怒られ続けている」
もし、同じようなエラーログ(悩み)を抱えている親御さんがいれば、ぜひ覗いてみていただければ幸いです。 偏差値という「他人の物差し」ではなく、自分の脳の「取扱説明書(仕様書)」を手に入れた子が、どう化けるのか。
これは、我が家の壮大な実証実験の記録です。
次回の記事では、「WISC検査の結果をAIに食わせたら、衝撃の『取扱説明書』が出てきた話」を書こうと思います。