ある夏の昼下がり、5人の妹は俺を囲んでこう言った。
「「「「「にいさん(兄様、あにき、お兄ちゃん、おにぃ)は誰を選ぶの」」」」」
「そんなこといきなり言われても……」
その次の言葉が続かない。これまで一緒に暮らしてきた妹たちから急に一人なんて選べるわけがないじゃないか。
そんな態度に業を煮やしたのか、5人の中では最も短気な紗黄(さき)が叫んだ。
「こうなったら……戦争よ!戦争っ!誰があにきを物にするのか、戦争なんだからっ!」
その次の言葉が続かない。これまで一緒に暮らしてきた妹たちから急に一人なんて選べるわけがないじゃないか。
そんな態度に業を煮やしたのか、5人の中では最も短気な紗黄(さき)が叫んだ。
「こうなったら……戦争よ!戦争っ!誰があにきを物にするのか、戦争なんだからっ!」
俺、奈色 虹司(なしき こうじ)には、5人の妹がいた。
「戦争って言っても……いくらにいさんに私を選んでほしいと言っても、みんなと喧嘩をするのは本意ではないのだけれど……」
長女の黒乃(くろの)。
つやのある黒いショートヘアにも目を惹かれるが、まず視線が向かってしまうのは胸の大きさだ。
妹たちの中では群を抜く巨乳。
温和な性格で、外見的にも内面的にも長女の風格である。
長女の黒乃(くろの)。
つやのある黒いショートヘアにも目を惹かれるが、まず視線が向かってしまうのは胸の大きさだ。
妹たちの中では群を抜く巨乳。
温和な性格で、外見的にも内面的にも長女の風格である。
「それに、体力的なことでは、私や黒乃姉さまが不利。」
次女の真白(ましろ)。
長い白銀の髪が目につく。
性格は冷静で、口数は少ないものの、時折発する言葉は非常に的を射た言葉である。
黒乃とともに、エネルギッシュな妹たちのストッパー役となっている。
次女の真白(ましろ)。
長い白銀の髪が目につく。
性格は冷静で、口数は少ないものの、時折発する言葉は非常に的を射た言葉である。
黒乃とともに、エネルギッシュな妹たちのストッパー役となっている。
「でも、優柔不断なあにきが決められないんだったら、わたしたちでどうにかするしかないじゃない!」
金色のツインテールを揺らしながら叫ぶのは三女の紗黄(さき)。
二人の姉とは対照的に活発……といえば聞こえはいいものの、少々攻撃的な性格である。
俺に対してもきつい物言いが多く、何故この騒動に加わっているのかが不思議でならない。
金色のツインテールを揺らしながら叫ぶのは三女の紗黄(さき)。
二人の姉とは対照的に活発……といえば聞こえはいいものの、少々攻撃的な性格である。
俺に対してもきつい物言いが多く、何故この騒動に加わっているのかが不思議でならない。
「真白お姉ちゃんが言うこともわかるんだけど、勉強とかだと私あんまり自信がないなっ!」
紗黄とは別の意味で活発な言葉を挙げたのは四女の桃代(ももよ)。
ピンク色のポニーテールが特徴的。
紗黄と同じく活発的な性格で、天真爛漫。
頭を動かすよりは体を動かす方が好きという、妹の中では随一の活動派である。
紗黄とは別の意味で活発な言葉を挙げたのは四女の桃代(ももよ)。
ピンク色のポニーテールが特徴的。
紗黄と同じく活発的な性格で、天真爛漫。
頭を動かすよりは体を動かす方が好きという、妹の中では随一の活動派である。
「それなら私にいい考えがあるよ~」
のんびりした口調で加わるのは五女の青葉(あおば)。
姉たちに可愛がられて育ったせいか、非常に怠惰な性格だ。
休日は日長一日部屋にこもってゲームをしている、いわゆるゲームオタクである。
ウェーブのかかった青いセミロングの髪のてっぺんには、寝ぐせの跡が残っている。
のんびりした口調で加わるのは五女の青葉(あおば)。
姉たちに可愛がられて育ったせいか、非常に怠惰な性格だ。
休日は日長一日部屋にこもってゲームをしている、いわゆるゲームオタクである。
ウェーブのかかった青いセミロングの髪のてっぺんには、寝ぐせの跡が残っている。
全部で5人の妹たち。
長男の俺を筆頭に、長女の黒乃が17歳以下全員年子となっている。
よくもまあ親父殿もおふくろも頑張ったものだ。
そうかと思えば、「更なる愛を深めに、世界各地を回ってくる!」なんて言って飛び出していくんだから、ほんと自由な親だよ。
長男の俺を筆頭に、長女の黒乃が17歳以下全員年子となっている。
よくもまあ親父殿もおふくろも頑張ったものだ。
そうかと思えば、「更なる愛を深めに、世界各地を回ってくる!」なんて言って飛び出していくんだから、ほんと自由な親だよ。
「いい考えって何よ」
「ふっふっふ~、それはね~。ズバリ!お兄ちゃん誘惑戦争だよ~。エロゲでも、大抵は誘惑合戦と相場は決まっているからね~」
女の子がエロゲ言うな。
青葉の発言にうなづきながら黒乃が話す。
「それなら私や真白のように運動が苦手でも、桃代のように勉強が苦手でも公平ね……。真白はどうかしら?」
「悪くないと思う」
「桃代はどうかしら?」
「うん!いいと思うなっ!」
しかし、紗黄は多少渋った様子である。
「そうは言っても、具体的にはどうするのよ。誘惑合戦って、四六時中あにきといちゃいちゃしろって言うの?桃代も私もクラブがあるから不利じゃない」
「いつもいつもというわけではないよ~。じゃあ、ルールを説明するね~」
青葉はどこからか持ってきたホワイトボードに「お兄ちゃん争奪戦争のルール」と書く。いつのまにか眼鏡と指し棒まで用意している。
「まず、お兄ちゃんへのアプローチには、制限時間を設けます。紗黄お姉ちゃんの言うように、いつでもどこでもってなっちゃうと不公平だからね~。それに、私もゲームの時間は確保したいし~」
「あはっ。青葉ちゃん、本音が混じってるよ!でも、ボクも外に出てる時間が多いから、その方がうれしいなっ!」
「ふっふっふ~、それはね~。ズバリ!お兄ちゃん誘惑戦争だよ~。エロゲでも、大抵は誘惑合戦と相場は決まっているからね~」
女の子がエロゲ言うな。
青葉の発言にうなづきながら黒乃が話す。
「それなら私や真白のように運動が苦手でも、桃代のように勉強が苦手でも公平ね……。真白はどうかしら?」
「悪くないと思う」
「桃代はどうかしら?」
「うん!いいと思うなっ!」
しかし、紗黄は多少渋った様子である。
「そうは言っても、具体的にはどうするのよ。誘惑合戦って、四六時中あにきといちゃいちゃしろって言うの?桃代も私もクラブがあるから不利じゃない」
「いつもいつもというわけではないよ~。じゃあ、ルールを説明するね~」
青葉はどこからか持ってきたホワイトボードに「お兄ちゃん争奪戦争のルール」と書く。いつのまにか眼鏡と指し棒まで用意している。
「まず、お兄ちゃんへのアプローチには、制限時間を設けます。紗黄お姉ちゃんの言うように、いつでもどこでもってなっちゃうと不公平だからね~。それに、私もゲームの時間は確保したいし~」
「あはっ。青葉ちゃん、本音が混じってるよ!でも、ボクも外に出てる時間が多いから、その方がうれしいなっ!」
妹たちの中では、家にいることが多い黒乃・真白・青葉に対し、紗黄・桃代は外出していることが多い。いっしょにいる時間と言う意味では、家にいる3人の方が有利になってくる。まあ、青葉については、家にいると言っても、自室にこもってゲームをしている時間も長いので、顔を合わせる時間と言う意味では外出の多い二人とあまり変わらないのかもしれないが。
「ただし、それ以外の時間については、みんなアプローチと思われるような行動は慎むこと。そうじゃないと制限時間を設ける意味もなくなっちゃうしね~」
「でも、何がアプローチと言えるのかの判断は難しい」
「たしかに真白の言うことはもっともね。普通に会話をしているだけでも場合によったらアプローチととられかねないし……」
「そのあたりはお姉ちゃんたちなら心配ないと思うよ~。それに、確かに会話の選択肢で好感度も変わるけど、私たちとお兄ちゃんの間だと今更会話程度でって感じだしね~」
「それもそうだねっ!紗黄ちゃんはどうかなっ!」
「まあ、それならいいんじゃない」
「でも、何がアプローチと言えるのかの判断は難しい」
「たしかに真白の言うことはもっともね。普通に会話をしているだけでも場合によったらアプローチととられかねないし……」
「そのあたりはお姉ちゃんたちなら心配ないと思うよ~。それに、確かに会話の選択肢で好感度も変わるけど、私たちとお兄ちゃんの間だと今更会話程度でって感じだしね~」
「それもそうだねっ!紗黄ちゃんはどうかなっ!」
「まあ、それならいいんじゃない」
「ちょっ、ちょっと待ってくれ。俺をおいて話をすすめ……」
「さーて、それじゃあ順番を決めないとね~。クジも用意してるよ~」
「あんたねぇ……何でそんなもんまで用意してるのよ……。まあいいわ、黒乃ねえから順番に引いていきましょうか」
「あんたねぇ……何でそんなもんまで用意してるのよ……。まあいいわ、黒乃ねえから順番に引いていきましょうか」
聞いちゃいねぇ……。
……こうして、5人の妹たちによる、俺をめぐる戦争が幕を開けたのだった。