私は昨年の春より将棋教室の助手をしております。
 私は将棋好きであり、かれこれ10年以上もしております。ですから、将棋の好きな人、将棋が強くなりたい人に親しみ湧きます。将棋教室でも、ひたむきに頑張る人に対して、全国大会まで行って欲しいと感じてますし、私自身、全国大会へ何度も出場しておりますので、指導者として能力に不足はないと自負しております。
 どのスポーツや習い事においても、『教室』を開く人はその道に長く精通している方だと思います。そうでなければ、そもそも指導などできません。勉強ができない人に勉強を聞いても、教科書の内容の以上のことを聞けないのと同じです。
 しかしながら、経験者だからといって必ずしもうまく教えられるとも限らないです。私も、短期間ではありますが将棋教室の助手としてお手伝いして痛感します。幸いにも、私のお世話になっている将棋教室の管理者は非常に運営の上手な方であり、教える対象である子供たちもかなりの人数となっております。しかし、全ての教室がこのようにうまくいくものではありません。現在の管理者も、軌道に乗せるのには運も必要だったと言っております。また、共同で取り仕切っている指導者(助手)にも恵まれているとおっしゃっており、非常にうれしく感じております。
 そんな管理者から聞いた話と、私自身が考えることをもとに、『教室』の助手として私が気をつけていることについて下記に記します。
 私がこれまで『教室』の助手をしてきて痛感したのは、私の将棋の棋力が向上したプロセスと現在の教室が大きく異なり、私自身の足跡を辿ることで子供たちを強くすることが難しいということです。私は自分で言うのも何ですが、全国大会へ何度も出場するほどの実力者でしたから、私の歩んできた道のりが正しく、他の方法は効率が悪いと考えていました。しかしながら、現在の将棋教室の運営とそれによる子供たちの成長を目の当たりにすると、私棋力向上のプロセスは「最適な指導方法」ではなく、「最高の指導方法の1つ」でしかないことを理解しました。それとともに、私の手伝っている将棋教室にも改善すべきことがあり、その点に関しては自分の経験と合わせて補正していくのが『教室』として最も良いと考えて実行しております。
 もちろん、常に成功するわけではありません。むしろ、半分以上は失敗していると思います。事実、私が実験として試した結果、教室に来なくなった人もいます。しかし、管理者はそんなことを咎めることをせず、むしろどんどん試して良いと太鼓判を押してくれております。このような環境に感謝しながら、日々、最適解を求めて指導しております。
 このブログで述べたかったこと。それは、自分の育った環境と指導する環境が異なっても、否定せずに受け入れ、その中で自分がこれまで受けた指導がどのように応用できるかを考えることが『教室』の助手をする上で重要であることです。また、『教室』をメインでする管理者となった際、助手に対して、過度な期待をせず、話し合って前に進むことが重要だとも感じました。
 スポーツをはじめ、ある分野に精通した人は指導方法として「最高の方法」を知っているだけであり、その方法以外を考えたこともなかったからです。その方法は必ずしも最適ではないかもしれませんし、周囲や生徒たちにも左右されると思います。ですから、管理者は助手と共に『教室』運営するという精神を忘れず、『教室』の助手は自分の指導環境以外にも方法があることを受け入れた上で、管理者とともに教室を作っていく精神を持ち続けることが重要だと思います。