秋に母親がこっちに来ると行った。

理由はこっちの近くの親戚がなくなったから。

よくある理由で、うちにはちょっと寄ってすぐ移動ってことだった。

 

家についてとくに何かする訳でもなく

「仕事はどう?」とか「今度は目標もってね」とかいつもの話だった。

数時間で母親が帰り駅まで見送った。

その時もまた、生活費を少しくれた。

即駅前のパチンコ屋に行った。

 

しかし、その日はいつもとなにか違ったが何かは分からない。

いつも通り入店したが休みということもあって

客は多くいつもやる台が空いてなかったから

仕方なく滅多にやらない「海物語」に座った。

あーあたらねぇかなーとか考えていたら魚群タイムに入った。

その時のBGMが「アンマー」だった。

いつも通り画面を眺めているだけだったのに、気づいたら泣いていた。

理由は分かっていたけど考えないようにした。パチンコしたかったから。

結局遣る瀬無くなって1000円も回さずに帰った。

 

次の日、夜勤だったもので、朝からパチンコに行った。

珍しく5万ほど勝ってうはうはしていたけど昔の感動とは少し違かった。

次の日もその次の日も行ったけど結局2万くらい負けた。

 

なぜか現状を考えだした。

借金もある、今までろくに働いていない

卒業して5年ほどなにも変わっていない、失ったものが多すぎる。

 

考え出したら虚しくなった。

毎日パチンコのことを考え、日勤の仕事終わり、夜勤の仕事始まり

休日、すべての空いた時間パチンコ三昧。

その生活を5年ほど。無駄な時間を過ごしたんだな。

 

たまにかけてくる親の電話もパチンコ行ってるから出なかったり

パチンコ行きすぎで寝不足になり仕事も手につかなかったり

金が無くなって飯も食えなかったり。

考えると切りがないほどの無駄が沢山あった。

パチンコをやっていて、俺はいいことが何もないと結果が出た。

それ以来一度もパチンコには行かなくなったし、行きたいとも思わない。

あれほど中毒だったのに、自分でも驚く。

 

つづく