緋眼回廊(ひめかいろう)

緋眼回廊(ひめかいろう)

緋眼影狼(ひめかげろう)が好きなことを書くブログです。

Amebaでブログを始めよう!

ご無沙汰しております。緋眼影狼です。

 

このたび、ブログのIDを変更するために新しくアメブロのアカウントを作成しました。

 

なぜIDを変更するのかというと、

 

実はこのブログ、元々は大学の授業の課題を消化するために立ち上げたものだったんです。

 

そのためIDも適当に決めたもので、無駄に文字列が長い。

 

しかも私自身、今年で大学を追い出されることになるのでもう大学関連のものは清算したい。

 

よってIDを変更したいのですが、ブログのIDは基本的に変更できないため、、

 

新しくアカウントを作成することに決めました。

 

こんな拙いブログですが、読んでくださった方はありがとうございました。

 

このブログはこの更新を最後に、以下の場所に移転(?)します。

 

緋眼回廊

 

ご迷惑おかけしますが、もしよろしければ覗きにきてください。

 

今日までお付き合いくださいまして、ありがとうございました。

 

一応このアカウントのブログもアメーバ公式に消されるまでは残るでしょう。

 

もしも、万が一、いやありえないだろうけど、人気の内容の記事がありましたら、

 

コメントをくだされば新しいブログのほうにもリバイバル掲載します。

 

それでは。

 

2017年1月21日 緋眼影狼

 先日、声優の小倉唯さんもメインキャストとして出演しているアニメ作品、『レガリア The Tree Sacred Stars』(以下:『レガリア』)が無事最終回を迎えた。7月アニメだったはずの本作の最終話が11月までもつれ込んだ時点で「無事」と言って良いのかはわからないが、何にせよきちんと終わってくれて良かった。それを記念して早速(すでに数日経っているが)レビューを残したいと思う。

 

レガリア The Tree Sacred Stars

評価:8点

監督:登坂晋       制作:アクタス

 アクタスによるオリジナルロボットアニメ作品。第4話までは他のアニメ作品と同様に放送したが、それ以降スケジュール通りの放送が困難となり、制作サイドの都合により同年9月から改めて第1話から順に放送し、11月に最終回を迎えたという逸話を残した。第1話の先行上映会でメインキャストの1人である佐倉綾音が「ロボ手書きなの本当に大丈夫?」と冗談混じりで言ったのが冗談じゃなくなったという話は何度聞いても面白い。正式タイトルにある「レガリア」とは元々「王権の象徴となる物品」という意味で、英文の方は直訳で「聖なる3つの星」だ。内容としては、「レガリア」と呼ばれるロボットに変身できる3人の少女たちと、彼女たちと契約したパートナーたちがともに世界の崩壊を目論む敵へと立ち向かう姿を描く。特筆すべきはやはり契約したパートナーたちも全員女の子であるという点であろう。近年ロボットアニメにおいて女性パイロットが増えてきたとはいえ、味方側が全員女の子パイロットというのは評価が高い。つまるところ百合なのだ。ちなみに敵サイドは全員男がレガリアの偽物を操縦して襲ってくる。男は敵なのだ。ここで本来の「レガリア」の意味を思い出してほしいのだが、「王権の象徴」である。実際にメインヒロインとなるパイロット3人のうち2人は王家の血を引く正真正銘のお姫様だ。これを踏まえて考えると、この作品は「王権とは本来女性にあるべきであり、男性の暴力的なチカラによる支配さえも打ち砕く女の子同士の絆(=百合)のチカラは強いということ」を描きたかったのかもしれない。知らんけど。そう考えると百合好きである身としては高評価を付けたくなるが、如何せん内容がわかりにくい。非常に理解しがたい。毎回きちんと観ていたにも関わらず、結局最後までストーリーにはイマイチついていけなかった。ただ、キャスト陣は個人的に好きな声が揃っており、毎回耳が幸せになった。そのため好きか嫌いかといえばもちろん好きではあるのだが、何が描きたいのかもっとはっきりとしてほしかったという感想は否めない。端的にいえばもっとわかりやすくレズセックスしてほしかった。最後に付け加えるが、主題歌はOPもEDもアニメーション演出を含めて最高だった。

 

 以上が簡単なレビューになるが、改めて各話に関して自分の記憶に残すために、簡単に概要を残しておく。

 

 第1話「姉妹/SISTER」

 物語の鍵になる事件、「リムガルド・フォール」が最初簡単に描かれた。レガリア同士の戦闘により一国(リムガルド)とそこに暮らすほぼ全ての国民が消し飛んだ謎の事件である。このとき戦っていた2機のレガリアのうち、片方は物語の主人公の一人であるレナが操るレガリア「アレクト」であり、もう片方は小倉唯ちゃん演じるティアとその契約者のサラが操るレガリア「ティシス」だった。この戦闘が原因でアレクトは一時的に右腕を失っていた。そんな「リムガルド・フォール」から12年後、レナと契約者であるユイは物語の舞台となるエナストリア皇国で暮らしていた。レナとユイは姉妹として育ったが、姉であるレナのほうが幼く見える。これはそもそも12年間でレナが一切成長していないためそのように見えるのだが、そんな謎はどこ吹く風と二人は平和に暮らしていた。そこにレガリアの偽物「レガリア・ギア」を操る謎の男が襲ってきて、レナは12年ぶりにアレクトに変身、男との戦闘となる。そこにユイも巻き込まれ、二人の運命が動き始める。

 

 第2話「宣告/JUDGE」

 ユイはエナストリア皇国の女皇だった。しかし女皇といってもその暮らしは一般的な国民と大差なく、国内でも温かく受け入れられていた。そしてユイが幼い頃から共に育ってきた姉であるレナは人間ではなく、レガリア「アレクト」のコアだった。ユイは女皇としてレナの処遇や襲ってきた敵について重役たちと相談するのだが、今まで予想したこともない事態の連続に戸惑いを隠せない。女皇として国と民の安全を選ぶか、妹として大切な姉を守ることを選ぶのか、悩むユイだが、親友であるレツの言葉で「レナも自分が女皇として守るべき国民の一人である」ということに気づく。そして決意を固めるユイの前にイングリッドと名乗る女性が現れ、レナを渡せと要求してきた。しかも要求に応じなければエナストリア皇国はリムガルドと同じ運命を辿ることになると半ば脅迫してくる。それでも姉を守ると気丈に振る舞うユイの前からイングリッドは去り、代わりに奇術師風の男が決闘を申し込んできた。ユイとレナは手を取り、2人で敵へと立ち向かう。

 

 第3話「真心/HEART」

 襲ってきたレガリア・ギアは強敵だった。そんな相手を辛くも撃退したユイたちだが、突然レナは意識を失い、アレクトが暴走を始める。その暴走を止めるために現れたのがレガリア「ティシス」だった。この時にティシスが振るっていた青く光る剣は過去にアレクトより切断した右腕であり、この剣による一撃でレナの内部意識へと干渉したものと推定される。このときレナの中に現れたもう一人のレナこそが物語の鍵になる存在「ルクス」なのだが、この時はまだ詳細は描かれていない。そんなティシスの介入により意識を取り戻すレナ。これによって騒動は一旦収まり、場面は国を上げてのお祭りに盛り上がる街に戻る。今回の戦いでユイに負担をかけてしまったと感じたレナはユイのためにケーキを作る。その際にティシスのコアであるティアと再会した。一方でユイはティアの契約者であるサラと出会う。自らレガリアとその契約者であると明かしたティアとサラだが、2人に敵意はなく、みんなで一緒にレナの真心がこもったケーキを食べるのだった。

 小倉唯ちゃんが演じるティアの台詞が非常に多く、めちゃくちゃ耳が幸せな回だった。

 

 第4話「虚勢/PRIDE」

 エナストリア皇国の建国記念の日が近づいていた。祭りの活気は日に日に高まっていく。しかし女皇であるユイを始め、国の重鎮たちはそんな明るい気持ちではいられなかった。かつてユイに接触してきたイングリッドはリムガルド王国の王女だったのだ。イングリッドの姿は12年前と変わっていなかった(リムガルド・フォールの後遺症によるものなのか、それともレガリアの契約者になったからなのかは分からない)が、本人であることは間違いないという。それは彼女たちの脅迫が嘘や冗談ではないことを裏付けることにも繋がった。そこにリムガルド王国侍従武官だったアーベルが再びレナの身柄を引き渡すように交渉を持ちかけてくる。それをまた断ったユイに対して、一国を背負う女皇としての覚悟を問うアーベル。レナはこれ以上ユイに負担をかけたくない、ユイは自分が守るとアーベルに対して先に攻撃を仕掛ける。しかしそこはエナストリア皇国内の石橋の上。ユイは周りへの被害を考えレナを止めようとする。そこにティシスも現れレナに加勢するが、アーベルは興が削がれたと撤退するのだった。戦闘によって壊れた石橋を見つめ、ユイは自分に国が守れるのか、国民が守れるのか不安になる。しかし国は、国民たちは、まだ幼い女皇にそこまでの負担を求めてはいなかった。女皇に守ってもらうのではない。女皇と共に歩んでいく、エナストリアはそういう国だったのだ。石橋の復旧に勤しむ国民たちの姿を見てユイはそのことを知り、考えを改める。自分一人で背負うのではない。互いに支え合っていけばいいのだと。レナもユイを守れない自分の弱さを自覚し、ユイと共に、2人で強くなることを考えるようになる。レナとユイ、そしてエナストリア皇国の意思が1つになろうとしていた。

 

 第5話「反撃/AWAKE」

 みんなと一緒に良い国を作っていける女皇、それが自分の女皇としての在り方だと理解したユイはレナと共に、再びアーベルと戦うことを決める。アーベルは今まで戦ってきた敵とは違う。本当に強い戦士だ。そんな相手と戦うことに不安をもらすレナ。今度はユイを守れないかもしれない。また暴走してしまうかもしれない。しかしユイはそんなレナを抱きしめる。レナも自分と同じように1人で悩んでいたことを知ったユイは、2人で一緒に乗り越えていけばいいと伝えた。そして2人はアーベルに相まみえる。その様子は国民にも中継されていた。覚悟を決め、ユイとレナはアレクトを身にまとう。突如として赤い巨人の姿になった女皇たちを観て、国民にも動揺が生まれるが、画面の向こうではすでに戦闘が始まっていた。しかし、やはりアーベルは強い。レナ1人の力では敵わない。レナはもう1人の自分の存在を受け入れ、ユイにも一緒に戦って欲しいと求める。それは本当にレガリアと完全な契約を結ぶということ。完全な契約者となれば、レガリアの呪縛に囚われることにもなる(イングリッドのように不老不死となり、普通の人間ではなくなるということだと推測)。ユイはそれを理解した上で、ずっと一緒にいようとレナの手をとった。そしてアレクトは右腕と共に真の力を取り戻す。力を取り戻したアレクトはアーベルを打ち倒した。彼は最後に「イングリッドさまを頼みます」と残して散る。その言葉の意味を考える暇もなく、ユイとレナはヘリに乗り、式典会場へと降り立った。そこで2人を迎えたのは大勢の国民と、割れんばかりの拍手喝采だった。

 

 第6話「神機/TRUTH」

 アーベルとの戦いを終え、国民たちにも真の意味で受け入れられたユイとレナは、ひとときの休息を楽しむ。一瞬の水着回と温泉回だった。もちろんユイとレナだけではなく、ティアとサラ、ついでにレツも一緒で女の子いっぱい。略しておっぱい。そこでユイはティアとサラがおよそ2000年もの間、レナとケイを探して旅をしていたことを知る。つまり彼女たちは不老不死であり、普通の人間ではなかった。もちろんレナも。しかしティアとサラの2人とは違い、レナは長い間ひとりぼっちだった。そんな時、レナはユイの両親と出会い、ユイの姉になった。2人が姉妹として過ごした時間、それは今までの長い時間からすればまだ一瞬とも言えるほんの僅かな時間だ。それでもレナにとっては大切な時間になっていた。休暇を楽しむユイたちのもとにレガリアを名乗る者からの謁見の申し出が舞い込む。その申し出に応じ、アフマルガルド共和国を訪れたユイとレナ、ティアとサラは聖域とされる場所で数多くのレガリアと思しき残骸、そしてエンキのレガリアであるロウとその契約者リューに出会った。リューの口から語られるレガリアの正体。それは様々な神の力を世界に現し、人々に恵みをもたらす力だった。そしてレナ、ティア、ケイの3人は、エリニュエス(復讐)の力を司る3体のレガリアのコアとなった人間であり、この3体のレガリアは戦うための神の力の具現化した存在、かつて世界を滅亡させかけたほどの猛威を振るった兵器「ルクス・エクスマキナ」の力を3つに分裂させて封印するために生まれたレガリアだった。リューはその身を捧げてエリニュエスのレガリアのコアとなり、世界を滅亡の危機から救ったレナたちに感謝を述べたくてここに呼んだのだという。レガリアであるロウはもう長くない。不老不死のレガリアも、役目を終えれば朽ち果てるということが明かされた。そして契約しているレガリアが朽ち果てた時、契約者もまた土に還るのだろう。自分たちに与えられた役目を全うすることが幸せなのだと語るリュー。彼女は感謝の気持ちを伝えると共に、レナたちには自らの幸せを見つけて欲しいと願った。そんなリューの姿に何かを感じたユイは、レナたちの幸せを見つけるため、すべての始まりの地、旧リムガルド王国に向かうことを決める。12年前、「リムガルド・フォール」はなぜ起きたのか、それらの謎を解き明かせば、レナの存在を狙うイングリッドたちの思惑も、これからレナと自分が進む道も見えてくると考えたのだ。しかし、そこにレガリア・ギアを操る少年、ヨハンが襲ってくる。ユイとレナ、サラとティアはそれを向かい撃つため、かつてリムガルドがあった地へと飛び立つのだった。

 水着回温泉回と思ったら、物語の鍵となる真実が多く語られた重要な回だった。

 

 第7話「過去/DISCORD」

 ヨハンの襲撃をなんとか退け、旧リムガルド王国へと降り立ったユイたち。荒廃した街の中で食料を調達したり、キャンプしたりと調査の準備をする。そして翌日、かつて様々な研究が行われていた施設へと訪れたユイたちを出迎えたのはケイだった。彼女は黙ったまま、ユイたちを施設の奥へと導く。そこで待ち受けていたのはもちろんイングリッドだった。イングリッドは12年前、この国で何があったのか語り始める。有力な技術大国であったリムガルド王国は新しいエネルギー技術の研究に難航していた。そこにとある助言者が現れ、研究は前に進み始める。しかしリムガルド王国はその1人の助言者に利用されていただけだった。助言者の狙いは封印された「ルクス・エクスマキナ」の復活。そのために助言者はケイを餌に、他のエリニュエスのレガリアであるレナとティアを呼び寄せた。しかしアレクトの暴走によりリムガルド・フォールが発生、リムガルド王国は消滅したのだった。その話を聞き、「ルクス・エクスマキナ」の復活のためにレナが狙われていると知ったユイ。しかしイングリッド個人の目的は別にあるようだ。そこに話に水を差すかのようにヨハンが現れ、戦闘になる。ケイは詠唱し、レガリア「メガエラ」へと姿を変え、イングリッドは契約者としてそこに乗り込んだ。戦闘の最中、ヨハンには聞こえないようにイングリッドはユイへと呼びかける。「エリニュエスのレガリアが3体揃った今なら、共鳴が起こせる。私たちを、ケイを―― 」。しかし言葉が最後まで伝わる前に、ヨハンの攻撃がアレクトへと降り注ぐのだった。

 

 第8話「帰還/HARMONY」

 ケイは過去の実験に利用された後、ヨハンの手によって記憶と人格を封印されていた。全ての黒幕はヨハンであり、イングリッドは本当のケイを取り戻すためにヨハンに協力する振りをしながらケイを助ける機会を伺っていたのだ。そして時はきた。レナはルクス(もう一人のレナ)の導きにより、ティアと共に囚われたケイを助けに向かう。その間、ユイとサラは単身でレガリアを操縦し、ヨハンへと立ち向かっていた。しかし実力が発揮できないユイはヨハンに捕まり、絶体絶命のピンチに陥る。ヨハンによる攻撃でアレクトが破壊される寸前、ユイを救ったのはイングリッドだった。しかし未だにケイはヨハンに操られたまま。人形であるケイは、ヨハンを裏切ったイングリッドに銃口を向け、撃鉄を下げる。レナとティアがケイの元にたどり着くと、3人の胸から3色のコアが現れた。エリニュエスのレガリアを司る3つのコアは互いに共鳴し、ケイを呪縛から解き放つ。間一髪、ケイは人格を取り戻した。銃を捨て、「ただいま」と微笑むケイに、イングリッドの目からも涙が溢れる。レナもユイの元に、ティアもサラの元に戻ってきて、形勢は逆転。3体のレガリアの総攻撃によってヨハンの操るレガリア・ギアは完膚なきまでに破壊されたのだった。

 イングリッドとケイの絆、好きです。

 

 第9話「継承/CONNECT」

 全ての元凶だったヨハンが消え、ユイたちは平和を取り戻した。イングリッドもケイを取り戻し、ユイたちの誘いでエナストリア皇国へと迎えられる。可愛らしい服を着て微笑むイングリッドはとても可愛い。そんなイングリッドたちの歓迎会が開かれ、ユイたちは改めてイングリッドとケイと親交を深める。そこでイングリッドはユイと二人きりになった際に、昔エナストリアでまだ幼かったユイと、ユイの母親であるマヤにお世話になったことがあると語った。イングリッドがこの12年間ずっと戦っていたこと、マヤからの手紙に支えられていたこと、部下であるアーベルさんの意思、涙腺にくる話が多くて耐えられなかった。ユイとイングリッドはようやくまた友人となれたのだ。そんな尊いやり取りを邪魔したのが死んだはずのヨハンだった。ほんましつこい。戦いの傷が完全に癒えてなかったユイは突然の襲撃に倒れ、レナたちレガリアはヨハンに連れ去られるのだった。

 改めてストーリーを読み込みながら観ていると涙を我慢できなかった回だった。

 

 第10話「孤立/ALONE」

 目を覚ましたユイは1人、自室に戻っていた。しかし側にレナやティアとサラ、ケイとイングリッドの姿はない。それだけでなく、周りの人たちはレナのことを覚えていないようだった。やがて女皇であるユイも人々から忘れられ始める。そしてとうとう、親友であるレツさえもユイのことを忘れてしまった。途方に暮れるユイは生前の母の言葉を思い出す。ユイとレナ、2人で力を合わせて頑張るように、と。今も大切にしている2人の指輪はそんな母の願いがこもったものだった。ユイは再び立ち上がる。駆け出したユイが路地裏で見つけたのはボロボロになったティアとサラだった。いつもの元気すら失っている2人は、ユイが倒れた後に何が起こったのかを語り始める。レナたちがヨハンに連れてこられたのは巨大兵器「ルクス・エクスマキナ」の内部だった。エリニュエスのレガリアのコアの共鳴。ケイの呪縛を解き放った共鳴は、同時に「ルクス・エクスマキナ」の封印さえも解き放っていた。ヨハンの命令によって起動する「ルクス・エクスマキナ」。軌道上に浮かび、星1つを包み込むほどの巨大兵器は、その力によって世界からレナやユイたちに関する記憶を消滅させる。これは世界滅亡の序章にすぎない。ヨハンの暴挙を止めるために立ち向かうレナたちだが、そこにも3体の大型レガリア・ギアが立ちふさがる。しかしそのレガリア・ギアを操縦するのはサラとティアの姉であるノアだった。ノアはヨハンの洗脳を受けながらも、必死の抵抗によってサラとティアの2人を地上へと送り返す。そしてユイの元へと戻って来ることができたサラとティア。2人の話を聞いたユイは一緒に「ルクス・エクスマキナ」へと乗り込む決意をする。そこに現れたのがもう一人のレナ、ルクスだった。

 身近な人に忘れられていく展開にめっちゃ弱い。泣きそうになった(ていうか泣いた。

 

 第11話「牢獄/PRISON」

 「ルクス・エクスマキナ」の中ではまだ戦闘が続いていた。契約者を失ったレナはヨハンの前で倒れ、イングリッドとケイは3体のレガリア・ギア相手に苦戦を強いられている。そこにルクスの導きによって駆けつけるユイたち。ユイは倒れたアレクトに駆け寄り、ティアとサラはティシスとなりイングリッドの加勢へ。ティアの詠唱可愛い。ユイはアレクトに、レナに必死に呼びかけるが、応答はない。無力感に苛まれるユイに、ヨハンは言葉による追い打ちをかける。もうレナはアレクトから戻れない。それはあのロウと同じ、力を使い果たす寸前までレナが弱っているという証拠だった。その事実にユイは絶望し、黒い影の中に飲み込まれていった。その裏ではノアを操るヨハンによって「ルクス・エクスマキナ」の歴史が語られていた。レガリアは神の力を具現化するが、その代償として人間の生贄を求める。それがコアとなる人間であり、その契約者だ。強欲な人間は神の力を求めながら、生贄を差し出すことを拒んだ。そして生贄を必要としない神を創り出そうとした。それが圧倒的な力をもつ兵器「ルクス・エクスマキナ」であり、その力による世界の支配だった。人間による負の遺産の真実を知ったイングリッドたち。そこにティシスも合流する。時間稼ぎは成功した。イングリッドたちは「ルクス・エクスマキナ」を止め、囚われているノアや世界の人々を解放することを誓う。そのための力が3体のエリニュエスの力を宿したレガリアなのだから。しかし、ヨハンは嘲笑うかのように告げる。もうアレクトは限界であると。影の中に取り込まれたユイは、レガリアの意識の世界でレナと再会する。そこでレナはユイに一緒に戦おう手を差し出す。しかしユイはその手を取らない。このまま戻れば、レナはいずれ力を使い果たして死ぬ。それならこのまま意識の世界でずっと一緒にいたいと気持ちを伝えた。その言葉にレナは嬉しそうに顔をほころばせながらも、少し違うと首を振る。自分はユイの姉だから、ユイの本当の願いがわかる。それはヨハンに奪われたものを、守りたい国や世界を取り返すこと。ヨハンは強大な敵だ。1人では絶対に勝てない。でも、2人なら。母の言葉通り、ユイとレナ、2人が力を合わせれば、できないことなんて、ない。ユイはレナの手を取って立ち上がる。これは第5話と見事に対となる構図だった。ユイとレナ、2人の決意にアレクトが呼応する。光を取り戻したアレクトは、最終決戦へと向けて動き出すのだった。

 ユイとレナのやり取りはかなりグッとくるのだが、イングリッドたちの戦闘シーンと交互にシーンを切り替えるせいでイマイチ物語に入り込めなかったのが非常に残念。何かしら意味のある手法なのだろうが、個人的にはマイナスに感じた。

 

 第12話「奪還/REGAIN」

 「ルクス・エクスマキナ」によって世界の人々の魂は取り込まれてしまった。その「ルクス・エクスマキナ」の中枢部にあるオービスを破壊するために奮闘するメガエラとティシス。見事な連携によって2体のレガリア・ギアを破壊し、残りの1体を操縦するノアの精神を解放。そのままの勢いでオービスをも破壊、人々の魂を奪還することもできた。計画の破綻に黙っていられなくなったヨハンは専用兵器オフルマズドを起動する。その強大な力の前にメガエラとティシスは追い込まれるが、復活したアレクトが駆けつけて窮地を救う。人々の魂は無事に解放されたが、ヨハンが生きている限り、真の平和は訪れない。真の平和な世界を奪還するため、アレクトはヨハンに立ち向かう。オフルマズドを破壊するため、ルクスの力を解放するアレクト。赤い装甲は黒い炎に包まれ、かつての暴走状態のような力を発揮する。しかし以前と違い、ユイとレナ、そしてルクスは意識を保ったまま、アレクトはオフルマズドにトドメの一撃を放つ。大破するオフルマズド。しかしその中から小型の人型機体、ヨハンが操縦するオフルマズドの本体が現れる。1人では何もできないくせにとユイを罵るヨハン、そんなヨハンを孤独であると憐れむユイ。ヨハンはその言葉に激昂し、感情をむき出しにして襲ってくるのだった。

 何もかも王道な展開で草。特にヨハンの倒しても倒しても次が出て来る魔王感が笑う。

 

 第13話「家族/FAMILY」

 いよいよ始まった最終決戦。しかし黒い炎をまとうアレクトはすでに限界だった。この炎は例えるならロウソクが消える前に一瞬強く光り輝くのと同じ、文字通り最後の力。やがて限界を迎えたアレクトの黒い炎が破裂し、周囲を包み込む。気がつくと、ユイとレナは不思議な空間にいた。そこは荒廃した大地。今まで2人が導かれたアレクトの意識の世界には美しい花畑が存在したが、その荒野には自分たち以外の生命の気配はない。そこで2人を迎えたのはルクスと大きな門だった。それは役目を終えたレガリアが、大いなる光の力「ルクス」に還元されるための入り口。レナはそれを知り、力が及ばなかったのだと諦めかける。しかしユイは諦めなかった。ルクスにもう少しだけ時間が欲しいと願うユイ。ルクスはそんなユイとレナの手を引き、門の中へと消えた。しかし門を通過しても景色は変わらなかった。否、一瞬のうちに荒れ果てた大地は、色とりどりの花が咲き乱れ、美しい泉の湧く生命に満ち溢れた世界に変化した。それはアレクトが生命力を取り戻した証拠。ルクスはユイとレナに再び戦う力を授けたのだ。それだけではない。ヨハンに引導を渡すため、立ち上がったアレクト、ティシス、メガエラ。3体のレガリアがルクスの力によって融合する。生まれたのはエリニュエスのレガリアの真の姿、ルクス・トリニティという白きレガリア。

 ヨハンは言う。どんなに生きたって生命は必ず死ぬ。ヨハンに支配されることになれば、魂はそのまま永遠に生き続けることができるのだと。

 ユイたちは答える。死ぬときは生きた証を次に受け継いだらいい。そうやってみんなで一緒に生きるのだと。

 ルクス・トリニティによる一撃でヨハンが操縦するオフルマズドは吹き飛ばされ、ヨハンは自分の負けを悟った。トドメをさせと言うヨハンの元に、ルクスが現れる。ルクスの手にはユイとレナから預かった指輪。それは「2人なら大丈夫」という証。ずっと孤独だったヨハンに、ルクスは指輪を1つ差し出す。ヨハンの正体、それはおそらく人間によって作られた「ルクス・エクスマキナ」のコアとなる存在なのだろう。レガリアのコアと違って契約者を必要としない存在。故に絶対的な孤独の存在。しかし最後はルクスと共に、安らかな顔で門の向こうへと消えていった。コアであるヨハンを失い、崩壊を始める兵器「ルクス・エクスマキナ」。全ての戦いが終わり、ユイたちも地上へと帰還する。

 レナ「これからどうするの、ユイ」

 ユイ「みんなでこれからどうするか、一緒に考えよう。大丈夫、きっとなんとかなる。――だって、今度はみんながいるんだから」

 終わり。女の子が2人いれば無敵(だから加えて「みんな」がいれば不可能なことは何もないよね!)ってことが感じられる良い作品だった。

 

 文章にしながらストーリーを理解し、読み込んでいけば良い話ではあった。終わり方もこのくらいが「あとは視聴者に委ねる」良いラインなのかもしれない。

 ユイはレナと契約したことで不老の存在となった。これによってレツやアオイなどの身近な人たちとは違う時間を生きることになった。それでもなんとか女皇としてやっていくのだろう。そもそもレナはレガリアとして限界だったはずだが、ルクスはどの程度までレナの状態を復元したのだろうか。本当に少しだけなら、いずれすぐにレナは再び限界を迎えるかもしれない。そもそもレガリアはその役目を全うしたら生涯を終えるようだが、エリニュエスのレガリアたちは戦うための存在だ。その寿命に明確な正解はないが、戦闘さえしなければほぼ不老不死で、緩やかにエネルギーを消費するのだろう。しかし今回「ルクス・エクスマキナ」との戦いでレナとティアとケイはそれぞれレガリアの力を消費した。この後一度も戦うことがないとして、同年代の女の子と同じくらいの寿命にまで消費されているかもしれない。どのみち不老だが。

こんなことを考えるのも実際は野暮なのだ。不老の存在となったレナとユイ、ティアとサラ(とノア)、ケイとイングリッドは当然、普通の人間と添い遂げるような未来は難しいので、それぞれの寿命が尽きるまで、幸せなレズセックスデイズを送るのであろう。そう考えると、なんか清々しい気持ちになれる。

 

 制作の皆さん、本当にお疲れ様でした。ロボットの作画とか素晴らしかったです。なんだかんだで楽しめる作品をありがとうございました。

 

……後日談の二次創作とか、ありだな。

 どうも、緋眼影狼です。

 7月クールのアニメ、『ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン』を観終わったのでそのレビューを更新します。

 

ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン

評価:10点

監督:市村徹夫    制作:マッドハウス

 電撃文庫から刊行されている同タイトルのライトノベルを原作とするアニメ。四大精霊が実体として存在し、人々と共存する世界で、怠け癖と女癖の悪い主人公イクタ・ソロークの活躍を描いたファンタジー戦記。最初はその悪癖が目立ったイクタの素行に悪印象をもったが、最大限に怠けるために科学的で合理的な思考をモットーとする彼の才気が発揮されるとたちまち物語は面白い方向へと動き、その目が離せない展開の数々にいつの間にか魅了されていた。これもイクタというキャラクターがよく作り込まれていることに起因する。今ならイッくんに抱かれたいとさえ思う。他のキャラたちも、世界観も、非常によく作り込まれていて、台詞や演出、キャラの心情の動きもその世界観に沿った意味のあるものばかりだ。その伏線を読み解いていくのも楽しかった。一度全体を通して観てからそれぞれの性質や設定を理解した上でもう一度最初から観てみると新しく気づくことも多い。ファンタジー作品や戦記物の作品には設定の安定感がとても重要で、作品そのものの面白さに直結する。この作品は原作も面白いに違いない。機会があれば原作もチェックしたい。

 

 と、いつもならここで筆を置くところだが、上記のような相変わらず作品の魅力がいまいちわからない駄文だけだとアルデラミンという作品に申し訳ないと感じるほど楽しんでしまったので少し具体的に書き加えたい。

 

 まず物語の魅力だ。1話と2話はイクタたちが不運によって敵国に迷い込み、イクタの機転によって窮地を脱する話だが、やはりイクタの主人公らしさが良かった。ただの女たらしかと思えば、合理的な思考によって作戦を立案し、見事にお姫様を救ったところももちろんカッコよかったが、奪った敵兵の命や上官の命を重んじて自分の言動を貫いていた点も非常に好感が持てた。たった2話で主人公の思考や魅力を描ききっていたのも作品として地味にすごい。

 

 3話以降は、絶対になりたくなかった「軍人」になってしまったイクタが、渋々ながらも指揮官としての才覚を発揮してあらゆる局面を乗り越えていく姿を描く。詳しく書いてしまうと重大なネタバレにもなってしまうため、彼の活躍は是非アニメで観てほしいところ。とにかく常人が思いつかないような戦略を用いて不利な状況を覆すというのは観ていて清々しいものだ。また、想像していなかった展開の数々も観ていてドキドキするので目が離せない。語彙がなさすぎてこの面白さをうまく表現できないことがもどかしい。

 

 最終話の締め方もよかった。最後の姫様の台詞、アレがよかった。詳しくは最終回まで観てほしいが、王道な展開でありながら、今まであんな「その発想はなかった」と心を撃ち抜かれるような名言は聞いたことが無い。

 

 なんだかんだで物語は「観て」としか言いようがないのでまさしく蛇足みたいになってしまった……。

 

 ここからはキャラについて書こう。イクタはもういい。そもそも男に興味はない。

 あ、でもトルウェイくんはイケメンでイクタとのホモカプが捗りそうで非常にGoodでした。マシューみたいな悪友キャラも嫌いじゃないよ。

 

 この作品のメインヒロインの一人は炎髪のヤトリシノ・イグゼムさんだ。「炎髪のヒロインが活躍する作品は名作」の法則を感じる。声優は種田梨沙さん。早い復帰を、ちんちんを固くしてお待ちしております(ウィットに富んだジョークとして受け取って頂きたい)。

 最近のライトノベルはハーレムものばっかりで主人公に無条件の好意を寄せるヒロインが多く辟易するが、ヤトリはまったく違う。そもそもイクタとヤトリの関係は恋愛なんて俗的な感情で語れないほどの強い絆を感じた。どちらかと言えば信頼に近いものだろう。ヤトリとイクタが二人きりのシーンは大体背中合わせのシーンが多いのも、「背中を預けられる」という絆の形を見事に表現した演出である。故に女好きな主人公の作品でありながら鬱陶しい恋愛要素は感じられなくて観やすかった。二人の絆は物語の随所に感じられたが、特に強く感じたのはやはり第四話だ。血に濡れたヤトリの姿を「すっごく赤いね」と軽く流したイクタ。けっこう重いはずのシーンを軽くする言動で一瞬にしてヤトリの肩の荷を取り除いたイクタはとても良い主人公だった。惚れた。第五話の二人の過去回もよかった。

 

 第二のヒロインは姫様。名前は覚えてないけどマニニクって単語だけ記憶に残るほど面白い感じの名前。金髪の幼い少女でイクタのストライクゾーンからは見事に外れている。しかし自分を何度も助けてくれ、今まで考えもつかなかった発想の数々を披露するイクタに完璧に惚れている。気持ちはわかる。そんなまだまだ幼い姫様なんてイクタはまるで眼中にない様子だったが、最終話では姫様がイクタの思っていたより大胆な考えを抱いた想像以上の皇女殿下であると考えをあらためているような雰囲気があって、これからも続く物語での姫様の可能性を私も感じていた。そもそも声優が水瀬いのりさんっていう時点で可能性の塊だった。

 

 ヒロインではないっぽいが一言多い衛生兵の女性、ハロちゃん。声優は雨宮天さんで、本心では何を思っているのかわからなくて若干怖い感じがキャラに合っていた。ハロちゃん自体にそこまで魅力は感じなかったのだが、彼女にはレズの可能性を感じた。ハロちゃんはきっとヤトリちゃんを好きになるだろう。一話からそういう描写が散見された。

 

 ヤトリとハロのカップリングもいいが、後半に出てきたナナちゃんという褐色の少女にも可能性を感じた。彼女は一度敵としてヤトリと刃を交え、終盤では味方として肩を並べて戦っている。その戦闘スタイルも二刀流の剣術でヤトリと似たところを感じるため、ナナとヤトリのカップリングにも可能性はあるだろう。もしもそういった薄い本が存在するなら一報頂きたい。

 

 おっと、思わず饒舌になってしまったが、これらはあくまで妄想だ。この作品に百合はまったく必要ない。そんなものがなくてもヒメニティセブンに食い込むレベルの面白さを感じた作品だった。夏のヒメニティセブン第4位くらいの名作だった。

 

 最後に主題歌について、この作品のOPを担当したのは岸田教団&明星ロケッツ。曲名は『天鏡のアルデラミン』。戦記モノである本作に、彼らの疾走感や混沌さを感じる楽曲はピッタリで非常に高まる。激しいロックチューンは戦場の武器の交叉する音を想像させるのだ。サビにある「Wow Wo-Wo」というコールも好き。

 実は来月の頭に茨城県の筑波大学で開催される学園祭にて岸田教団&明星ロケッツのライブがあり、そこに参加できることになっているのでめちゃくちゃ楽しみだ。さすがに新しい曲なのでアルデラミンはセトリに組み込まれていると信じている。HOTDから彼らのアニタイ曲は大好きなので、ストブラやGATEの曲も楽しみにしている。まだまだチケットは残ってそうなので、このブログを読んで興味を持った方はぜひ現代視覚文化研究会声優班のライブイベントについてもチェックしてもらいたい。

 

 というわけで、このへんで。ではまた~