父親が泣いた日。
お風呂上がリ。
昨日みたいに父親に
話しかけた。
『明日のお金がいるょね?』
あたしは言いながら
昨日入った給料から
二万円を渡した。
そしたら父親が言った
「明日勝負してダメだったら、日曜に川南にいく。それで野中さンに相談してくる。じャないと」
右側の口角から目に掛けての筋肉が変な感じに歪んでた。
「じャないと...」
少しだけ赤黒く顔色が
変化していく。
「カナが可哀相ゃ」
詰まる息を必死で整える様にして、そう父親は言葉を吐き出すと、俯き苦しげに泣き出した。
涙が溢れると言う感じじャないけど泣いていた。
「悪いことしようと思えば、いくらでも出来る。方法も知ってる。だけど、それをしたら人生が終わってしまう」
そう言う父親を横目に見て
あたしはどう反応して
いいか分からなかった。
何を言えばいいか
分からなかった。
