日頃は不自由を感じずに日常を過ごしている。

手が利かなくても口を使ったり、自助具で補ったりしていて問題ない、と思っていた。


先日、スーパーへ行った帰りにエレベーターですれ違った二歳くらいのよちよち歩きの子供が

振り向きながら笑顔で私に小さな手を振ってくれていた。

私は体に力が入ってしまい、表情がゆがんでいるのがバックミラーに映っていた。

それをみても、満面の笑みで手を振っている子供に手を振り返せないことに腹が立った。


せめて一瞬でいいから使えるように神に願いたくなった。