「シアトリカル・プラネタリウム」という作品をつくっている雑貨団の「アストロ☆バーベキュー」を観に行ってきました。(今年の4月頃のお話)
内容
宇宙航空事業団 特別企画室でのスパイ容疑で
権現造 楽(ごんげんづくりがく)オグラミツヒロ
御饌 殿太郎(みけでんたろう)じゃっかる
芽輪 七力(めのわしちりき) 小林善紹
の3人は、宇宙船に乗せられ島流しにさせられてしまう。
3人はロープで縛られたまま宇宙船に乗せられていたが、体育会系のミケがロープを引きちぎり解放される。途端にお腹が空いて食料を探すが、生肉と野菜、炭があるだけ。
ということでバーベキューの準備が始まる...............
地球の危機を救う3人のお話だが、メインは炭火を見て和んでしまうところ。なんとも不思議なお話でした。
http://zakkadan.net/bbq/

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とってもゆかいな雑貨団のお芝居が、明日、8月30日に平塚市博物館で開催されます。

シアトリカル・プラネタリウムvol.28
「ソラヲトープ」

お勧めです。
 

新幹線の車内
菫がシニョールからの手紙を読んでいる。

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薫へ
菫に、手を差し伸べてくれる外国人は日本に興味を持っている人だから、菫は日本のことちゃんと知っておかないとだめだ。中学生向けの日本の文化と歴史が分かり易くまとまっているこの本をよく読んでおけ。

菫が、歌で勝負したいと俺に相談してきてくれた時、うれしかった。
ろくでもない父親が娘にアドバイスできることは、たぶんこれが分かって町を出る決意をしたと思うが言っておく。

「自分を最後まで信じ切れる人にならないと、本当の仲間は出来ないぞ。」

菫の舞台なら地球の裏側だって観に行く父より
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菫は読み終わると、微笑みを浮かべて本を読み始めた。


シニョールは菫を見送って、智とKOHに菫からの手紙を渡した。

KOHは、大川市民会館の控室で、菫からの手紙を読んだ。

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弟 KOHへ
KOHとの出会い、ドライブ............一生忘れないよ。
私、アメリカに渡って歌の勉強して、歌手になる。
いつかKOHと一緒に大きなステージに立ちたいと思ってる。
何年先かわからないけど、その日までさようなら。

わがままな姉 菫より
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KOHは手紙を読み終えると、ライターで焼き捨てた。そして大勢が待つ舞台へと向かった。


大川エビス駅前バー 外の雨音がかすかに聞こえる。
智は一人で菫の手紙を読んでいる。

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智くんへ
いつもピンチの時に必ずそばに居てくれたのは智くんだけだった。
智くんと一緒に居られて幸せだった。

智くんには、両親もお姉ちゃんもそばにいる、ロールキャベツも大川エビス駅前バーの看板メニューになった。

もう大丈夫。

私、アメリカに渡って歌の勉強して、歌手になる。

智くんが愛してた菫は、あたしじゃない。ごめんなさい。さようなら。

菫より
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智は読み終えるとそっとカウンターに手紙を置いた。

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智は菫の好きなカクテルを作り始める。

薄暗い店内にプリンスのパープルレインが流れる。

THE END
それから2か月後
大川市民会館でのシニョール・マレ&KOHのマジックショー当日

雨が激しく降る中、シニョール・マレの運転する車の助手席に菫は居た。

シニョール:あいつらに直接話さなくていいのか?
菫:手紙を渡してくれる?
シニョール:俺は会ってちゃんと話した方がいいと思うが。
菫:会ったら、きっとこの町から出られなくなる。

薫は今日、アメリカに行く。それを知っているのはシニョールだけ。

シニョールが、新幹線が止まる大きな駅に車を止める

新幹線のホームで見送り

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シニョール:これは俺からのプレゼントだ。
菫:何?
シニョール:本と手紙が入っている。電車の中で読んでくれ。

新幹線が間もなく発車するアナウンスが流れる。

シニョールと菫が同時に何か言おうとする。

菫:お父さん

シニョールは驚く

菫:あたし、幸せを手に入れて初めてお父さんの気持ちが分かった。このままここに居たら私は死んでしまう。生命(いのち)には代えられないから私ここを去る。お父さんは私たちを捨てたわけではないってことやっと分かった。

薫はとびっきりの笑顔を見せて、新幹線の中に消えて行った。

シニョールは、何か言おうとしたが声にならなかった。