こんばんは。
2011年が始まって少し経ちましたねー
前回はアトラクションが止まった場合のパークの対応についてお話ししました。
アトラクションを運転見合わせにする最大の理由。
それはディズニーが考える顧客満足の理念に基づく重要なポイントです。
ディズニーでは、キャストが届けるサービスに優先順位を設け、常にそれに準じた行動を取るようになっています。
それは"SCSE"と呼ばれる行動基準。
Safety 安全性
Courtesy 礼儀正しさ
Show ショー
Efficiency 効率
アトラクション運営に関する事項は、主に一番目と三番目、ふたつの"S"でしょう。
パークに存在するすべての物は安全でなければいけません。それが前提とされなければ、ゲストに100%の楽しさを提供することができないとディズニーは考えています。
たった一つのライドに、ほんの少しでも不具合が生じたらアトラクションは止まります。何よりゲストの安全が最優先されるからです。
また、たとえ人形の一つが動かないだけだとしても、すべてのゲストに同じ楽しみを味わってもらわなければいけないので、この場合もアトラクションは停止します。
ちなみに、パークに本物の動物がいないのもこの考え方によるものです。ジャングルクルーズやウエスタンリバー鉄道など、動物が登場するアトラクションはいくつか存在するのですが、ウォルトは当初そういった場所に本物の動物を入れる予定だったんですって。
動きをコントロールできないものが、ゲストへ同じ楽しみを与えることは難しいと考えたんですね。
実際のところどうしているかというと、パークでは"オーディオ・アニマトロニクス"という独自の技術により、動物の人形を効果音や音楽とともに動かしています。
これについては追々お話ししますね。
ディズニーランドのサービスについて、もうちょっと深く踏み込んでみます。
マニュアルや"SCSE"の理念を主軸に置きながら、キャストが与えるサービスがゲストの期待を越えるとき。
ディズニーランドでは往々にしてそういうことがあっていつも驚かされるんですけど、それってパークの中だけじゃなくて、どんな場所でも大事なことに変わりはないと思うんです。一口に「お客様の立場にたって考えよう」と言っても、なかなか難しいものだけど。
自分にとってはいつもと変わらない仕事の一部だけれど、それを受け取る相手にとっては、二度とない特別な瞬間かもしれない。
それを忘れない。
その子にとって生まれて初めての遊園地かもしれないし、そのカップルにとって一生の記念日となり得る日かもしれないから。
私は今まで飲食系以外のサービス業界でアルバイトをしてきて、これからもそういう仕事を続けていくけど、だれ(なに、どこ)に対してもONE ON ONEのつもりできちんと向き合うことって、業種・職種に関係なく重要なことですよね。
自分の大切な人に対して「こうしたら喜んでくれるだろう」っていう気持ちが沸くのと同じ…そしたらどこにも手は抜けないはずで。
ディズニーのサービスは常にそれを見据えて行われている。キャストひとりひとりが、最低限のこととして与えられたものを自分なりに噛み砕いて、そこからよりよいものを生み出そうとしているんです。
いつだったか、カストーディアル(掃除)のキャストに「今なにをしてるんですか」と尋ねたとき、「思い出のかけらを集めています」って答えてくれたんですけど、それってキレイな答えをはじめから用意してるわけじゃなくて、きっと自分の仕事に誇りをもって働いてるところから生まれた心からの言葉なんじゃないかと思ってます。
ヒト対ヒトであれヒト対モノであれ、仕事に対する熱い気持ちは忘れずにいたいですね。
ゲストの夢を支えるキャストの現実には、ディズニーが考える信念がある…っていう話でした。
真剣に論じてしまいましたが、次回はもっと軽い話をしようと思いますw
知ってても得するかどうか微妙なレベルの、アトラクションの小ネタを大放出☆お楽しみに(^ω^)

