「私は、人材教育に熱を入れているという中小企業を見ることがあるのですが、どう考えてもロボットを製造しているような異質な企業に触れることがあります。軍事的なマインドコントロールの手法とよく似ていて、とても危険なものを感じるのです。
1、肉体を極限まで疲弊させる。
2、睡眠時間を削らせ、それでも活動させる。
3、少しでも休息しようとすると、連帯責任で一定範囲の同僚なども罰を受ける。
4、教育係と称する上司や同僚が本人を全否定する。
5、企業の『理念』『社訓○か条』『社歌』などを暗記させ、連呼させる。
6、『理念』や『社訓』、『疲弊するまでの活動』を評価し、教育係や仲間がほめる。
7、『称号』『勲章』『賞状』などを活動の対価として、与える。
このようなセミナーや従業員教育には、非常な違和感を感じます。
私は価値観や考え方などは、このように植えつけるものではなく、自然につかみ取っていく、培っていくものだと思います。会社への愛情、仕事への愛着もしかり。押し付けるものではないと思っています。
よく見極めたほうが良いものには、会社においては経営者の姿勢、があります。どういうことか?従業員のやりがい、働きがい、モチベーション向上といいながら、その実、サービス残業、サービス勤務を自発的にやらせるような社風をつくり上げる経営者が見受けられます。
自己啓発、経営学など、このような狡猾な経営者のよりどころは無数にあります。自分が利用されているとわからないまま、家庭や自分よりも会社を優先し、その道具にされている人を見ると気の毒でなりません。
本人がそれで良いのなら、私の口出しすることでは、本来ありません。ただ、本当に従業員を思いやり、先頭に立って会社を経営している人と、従業員を思いやるフリをしながら利用している人の2種類があるのです。私は、従業員を思いやるフリをしながら利用している人の始末の悪さを指摘します。どうぞ、注意してください。
もし、一つの価値観を押し付けられ、それ以外知る必要は無い、これだけ身に付けなさいなどと、遠まわしにでも言われたら、危険です。常に視野を広く持つことです。判断するということを他人に預けたり、渡してしまったりしないように。」