「しばらくそうしていなさい」
爆弾のスイッチをチラリと見せる。
「悪いけど、助太刀に行かせてもらう」
言うが早いか。ハカイダーの体は再び爆炎に包まれた。
「くっ…! 限界か…!」
ぬ~べ~の霊気の壁が弱まり始めたその時。
「だあああああああああああああああああああああッ!!」
蒼き魔力のオーラを推進剤代わりにし、
空を駆ける美樹さやかが、天狗塚の悪霊の顔面に一太刀を浴びせた。
「ぐがあああああああッ!!」
「炎が止んだ…さやか君!?」
ようやく悪霊の火炎攻撃から解放されたぬ~べ~。
「ナイスよ、さやかちゃん!」
忍の声が風に乗って聞こえて来る。
「やった! あたしだって、やれるんだ!」
状況を打開したのは、4人の中で最も実戦経験に乏しかった筈の美樹さやかだった。
けれど彼女もまた、ここ数日間幾度も修羅場を潜り抜けてきた。
「今です、鵺野先生!」
走りながら、ハンドガンで悪霊に追い打ちを加えるほむら。
「ぬう! あああああああ!!」
さやかに斬りつけられた傷を押さえ、悪霊は呻く。
「おお!」
ぬ~べ~の鬼の手から紅い稲妻が迸る。
「このチャンス! 逃がしはしない!!」
そしてぬ~べ~も悪霊に向かって突撃して行く。