「グハハハハハハ!!」
腰布を巻いた緑色の肌をした巨大な怪物がぬ~べ~達を見下ろし、下卑た笑いを浴びせる。
「この妖気…以前に感じた事がある。あの怪人黒マント…いや、その本体か!」
怪物の正体は、天狗塚の悪霊であった。凶悪犯の黒い感情に取り付き、妖怪に変貌させた張本人。
「あの時、成仏したのは凶悪犯の魂だけだったのか…!」
「あの時はよくもやってくれたな、人間め!
貴様が要らぬ事をしたおかげで、せっかくの依代を失ってしもうたわ!!
この俺様が直々に貴様をくびり殺してくれる!!」
「ここは結界の中。外からは干渉出来ん。どうだ、理解出来たか。この状況が?」
宇宙妖怪メメーンは全てを見越していた。まどかを助けにほむら達がやって来る事も。
そしてミミーンやクンクーンが倒されるであろう事も。
「追い詰められたのはあたし達…って訳…?」
「利用できるものは全て利用する。もっとも、ここまで上手く行くとは思わなかったがな。
では、始めようじゃあないか」
推定15㎡ほどしかなかった場所は、今や果てが見えないほどに広い暗黒空間と化していた。
「忍、美樹さんをフォローして。ここは…っ…!」
ほむらの息が止まる。
「ほむらっ!」
「転校生!」
ハカイダーの蹴りが、ほむらの腹にめり込んでいた。
「あぐっ…」
声にならない声を上げ、地面に打ち付けられる。