(プレジデントオンライン)
プレジデントFamily 2013年12月号 掲載
県立千葉高校といえば、東大合格者数は毎年20~30人を数え、国公立医学部合格者も多く輩出する首都圏公立高校の名門。
その千葉高に千葉中が併設されて、今年で6年目になる。1期生が、来春初めて千葉高を巣立つ年だ。受験を前に、教育関係者からの注目が高まっている。
■文科省が特例を認めた中高一貫校
近年、都立小石川や桜習館など、中高一貫校化して成功した公立高校は多い。東大への合格者が何年も出ていない学校が、中高一貫校化して一気に5人の合格者を出したといったことも珍しくない。
しかし、千葉高が注目される理由はそれだけではない。実は文部科学省は一貫して「地域の一番校は一貫校化しない」としてきた。エリート校化を防ぐのがその理由と言われてきたが、千葉高校は例外として600万人の人口を擁する千葉県下一番校でありながら、中高一貫校化された異色の存在だ。
当然、千葉中への入学には高いハードルがある。1000人を超える志願者が適性検査と面接の2段階の試験によって、最終的に80人(男女各40人)にまで絞られる。かなりの狭き門だ。こうして選ばれた80人の内部進学者と、高校からの入学組240人が、来春大学受験を迎えることになる。
もともと高い進学実績が、どこまで積み上がるのか誰もが気になるところだろう。
「結論を言えば、東大合格者が爆発的に増える モンスター ヘッドホン -ステファンカリー バッシュ んてことは、ありえません」。県立千葉中?千葉高の高岡正幸校長は満面の笑みでそう答えた。
「千葉中に入学した生徒は、千葉中ができる前なら、高校から千葉高校に入学してきた子たちです。学力の層は変わっていない」(高岡校長)
さらに高岡校長は数字の捉え方にもくぎを刺した。
「東大合格者数だけを見ると、『ずいぶん年によって波があるな』とみなさん思われるかもしれませんが、実は上位生徒の成績も学年全体の平均も、そんなに毎年差があるわけではないのです。年によって国公立大医学部に志望者が偏ったり、京大志向が強まったりする。しかし、いずれにせよ東大?京大?東工大?一橋大?国公立大医学部合格者の総数は、例年さほど変わりません。来春も大きな変化はないとみています」(同)
■なぜ総合学習に力を入れるのか
大学合格実績に変化がないとすれば、「なんのための中高一貫化か」と、疑問を持つ向きも多いだろう。
これに対し高岡校長は「中学開校の目的はそもそも、難関大学への進学者を増やすことではありません。だからカリキュラムも、中学で高校の学習を行う“先取り”教育を取り入れていないのです。千葉高校の中高一貫校化はあくまで将来、社会に貢献できる人材を育成することが目的です」と説明する。
「先取り学習」はしないものの、千葉中から千葉高へは全員が進学できるため、受験の心配がなく、その分、教育への工夫が凝らされている。その結果、より高度な教育ができるのだと大山光晴副校長は語る。
“先取り”をやらないからといって、日々の授業が一般的な公立中と同じかといえば、そんなことはありません。たとえば、生徒が高校へ進んだときに『あ、中学で勉強したあの内容の応用か』と気づけるよう、中学で学ぶ内容が高校のどんな内容に結びつくかといった話はよくします。千葉高の特徴はなんといっても、教科ごとに先生方が工夫に工夫を重ねて作る、深みのある独自教材にあるのですが、そのメソッドを中学でも取り入れています」(大山副校長)
また、千葉中は特に総合学習に力を入れていると高岡校長は語る。
「もともと好奇心の強い子供が多いので、教員側はあの手この手で、好奇心を刺激してやる。すると、子供たちは自ら驚くほどの知識を吸収していきます」
たとえば千葉中の3年生がほぼ全員参加する10日間の海外異文化学習では、MIT(マサチューセッツ工科大)やハーバード大などを訪ね、ノーベル生理学?医学賞受賞者である利根川進さんはじめMIT研究者による特別講義を受ける機会などを設けている。国内でも各大学や研究所、医療機関などから講師を招いて講演会や特別授業が頻繁に開催されている。
学年を超えたゼミ活動で、課題を発見し追究する力を養う総合学習にも積極的だ。研究成果は「アカデミア」として年2回、全校生徒の前での発表の場を設けている。
そうした成果の一例ともいえるのが、自律型ロボットによる国際的なロボットコンテストWRO(WorldRobot Olympiad)で受けている高い評価。千葉中は上位入賞の常連になりつつあるのだ。
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