昨年、驚くべきニュースを目の当たりにしました。
探偵が、別れさせ工作で、その元工作員が殺人を犯したというニュースです。
〝驚くべき〟と言いましたが、「遂に、そんな事がおきてしまったか!」というのが実感でした。
探偵業者は、特にどのような依頼を受けてはならない、という確固とした規制はありませんから、その業務の中に、〝別れさせ工作〟とういうものを入れて業務をしている業者は実に多く見受けられます。
業界や協会(当社は現在退会)で、この〝別れさせ工作〟は賛否両論?なのかも知れませんが、私(東京ベイ調査事務所)では、反対派という立場を以前より取っており、過去にも受件した事はありません。
私に言わせれば、〝探偵〟という定義を考えれば、〝別れさせ工作〟は探偵の業務ではない、という信念があるからです。
探偵とは、事実を調査して報告する仕事で、事実を捻じ曲げて、依頼人の都合の良いような事実を〝作り出す〟仕事ではないはずです。
仮に、依頼人がDVなどの被害を受けて、離婚はしたいが法的になかなか証拠を有する物証が得られず、そのために〝別れさせ工作〟によって、離婚事由をでっち上げる事が、依頼人を守るためという正義に基いていたとしても、この業務を〝探偵〟が行なうという事は間違っており、人の心を操作するという危険性を、探偵がよく認識するべきだと思うのです。
〝正義〟という大義名分さえあれば、何をやっても良いのか?という疑問点を投げかけたい・・・
百歩譲って、このような業務を望んでいる消費者が多くいたとしたら、非常に病んでいる世の中といわざるを得ず、難しい問題ですが、やはり探偵が受けるべきではないというのが、当社の立場です。