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職人気質な広告屋の『オ・ハ・ナ・シ』

広告代理店のアレヤコレヤと営業さんとデザイナーさんのヒトリゴト。
えっ!そんなことまでやってるの?!と分かって欲しい心を映す、
ギラギラの鏡のようなブログです!

もう、かれこれ25年くらい前のハ・ナ・シですが、

私は当時、都内の某印刷会社に在籍しており、すかいらーくグループの店舗さん(すかいらーく、ガスト、夢庵、藍屋、ジョナサン、バーミヤン等々)を担当させていただいている部署を任されておりました。

 

大手ファミレスさんのチラシ、メニュー、ポスター全般の印刷物を承らせていただいていたため、大ロットのチラシに強いとの評判から、別のデザイン制作代理店をご紹介いただきました。

そしてピザのFCチェーン店さんのチラシを受注し、何度か納品もさせていただきました。

 

1回の印刷でB4サイズ800万部程度でしたから、昔は印刷物も部数が多かったですね。

部数が多いとチラシの1枚の紙の斤量(厚さ)で、印刷費の総額が大きく変わります。

用紙の計算は、使用量×用紙斤量×@単価です。ニヒヒ

単価的に無理をして受注しているので、会社の上司から、「もう少し利益なんとかならんのか?」と、会議でも言われておりましたところ、用紙を仕入れていた〇〇商事の担当者から、「束高の輸入紙があり、通常使用している用紙より斤量は少ないですが、手で触った感じは全く遜色ない用紙です」と提案があり、少しは会社の利益に貢献出来ると考え、得意先に用紙のサンプルを見せ確認をしていただきました。

ただその時、斤量が違う事は言わなかったのが大失敗…真顔

その用紙でピザ会社さんからもOKをいただき、印刷をして納品いたしました。

 

後日、ピザ店舗から、納品した部数が足りないと連絡が来ました。

「そんなはずはないです。」と、ご連絡させていただきましたが、このチラシは新聞折込ではなく、ポスティングで配布することになっており、ポスティング配布スタッフに100枚単位でチラシを渡す際、枚数を数えて渡すのではなく、計りで計っていたとの事。ポーン

そのため、今までの斤量の紙100枚の重さと、今回の斤量の少ない紙で同じ重さにした場合、一枚あたりの紙が軽い分、枚数が多くなってしまうため、店舗の在庫が合わないと言う事が後々判明しました。

その時はまだ双方とも事情がわからず、とりあえず、どういう事なのか一度、ピザ会社に来てくださいとの事で、伺ったところ、ゲッソリ

今回のチラシ、前回のチラシ、前々回のチラシ…が計りに乗っていて、冷や汗がタラリ…滝汗

何の説明も出来ないまま、斤量を胡麻化したと言うことになり(用紙サンプルは見ているけど、斤量が違うなんて聞いてないぞ)、ひたすら謝罪。

そこで、担当の自分もびっくりする判断を同行した上司(専務)がしました。

 

「全部無料にしますので、チラシはそのままご利用ください」との決断です。ポーン

え!と、びっくりしましたが、専務の発言ですので、部下の自分がどうこう言う話ではない。

 

通常は、印刷のし直しか、そのまま使用するのであれば値引き程度の対応となるところですが、

その当時、すかいらーく藍屋の副社長が、私の在籍していた印刷会社の社長に就任していて、

飲食会社のコンプライアンス的には、食中毒を出してしまったくらい大きな事と受け止めての判断でした。

会社に一千万弱のマイナスを出したと言う事でしたが、会社の利益の為にしたことで、情状酌量の上、3日間の自宅謹慎及びレポート提出と言うペナルティとなりました。(無料にすると言う判断を、自分自身は納得してませんでしたが)笑い泣き

 

その後も間に入っていた得意先との関係は続いていたので、この「事件」について数年後に聞きいてみたところ、

ピザ会社は、無料でチラシ印刷が出来て喜んでいたと…ゲロー

「斤量が少し少なくてもチラシの効果は変わりませんからね。」とのことでした。チーン

私もまだ30歳くらいの若さで、正確な説明判断が欠如していたのは事実ですが、

なんとも言えない苦い思い出デスッ。

得意先の代理店の社長とは同じ歳で、腐れ縁なのか、25年以上経ても、いまだにご縁があります…ウインク